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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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日曜日はがっかりデー。
競馬はクビ差三着の酷い仕打ち、まあ、典型的なドツボパターンである。
祐一君、追い出し早すぎ。
おしい、おしいといいつづけて、結局当らないのが最悪である。
この連敗は深そうだなあ・・・なんて。
困ったもんだ。
熱くなった脳みそをクールダウンするために、蕎麦屋に入り盛り二枚を肴に冷やを引っ掛ける。
その後、喫茶店でコーヒーをすすりつつ、ポケットから取り出した真田騒動─恩田木工─を読みふけることしばし。
いい時間となったので、ス●イで表題の映画鑑賞としゃれ込んだ。

2008年のフランス映画。
主演はヴァンサン・ランドン、女優はダイアン・クルーガー。
ここ札幌では、ス●イの単館上映(かな?)であり、終了間近ということでこの週末こそはと思っていた作品である。
結果から言えば、大当たり。
スクリーンから張り詰めた緊張感が伝わってくるような、そんなステキ映画であった。
フランス映画なのに・・・とか甘く見てると痛い目にあうぜ?

ストーリーはごく単純。

フランスはパリ。
国語教師ジュリアン(ヴァンサン・ランドン)は、美しい妻リザ(ダイアン・クルーガー)と息子オスカルと共に、平凡ながらも幸せな生活を送っていた。
そんな幸せをぶち壊すかのような悪夢が襲い掛かる。
妻のリザが、殺人容疑で逮捕されてしまったのだ。
リザは冤罪を主張するが、結局は受け入れられず、懲役二十年の実刑で投獄されてしまう。
刑務所での毎日に次第次第に心をすり減らすリザ、ついには自殺未遂を引き起こしてしまうまでに。
限界を感じたジュリアンは、この悪夢から彼女を救い出すため、脱獄させる決心を固める・・・。

単純だからこその奥深い心理描写がある。
追い詰められる妻リザ、そんな妻の姿に追い詰められる夫ジュリアン。
絶望感を、役者の二人は実に見事に演じきっている。
そして臨界を迎えたとき、平凡だったはずの夫は牙を剥く。
そんな時妻はどうするのか?
夫を信じ、ついてゆくことが出来るのか。
幸せな(ちょっとエロい)お話の導入部から一転、妻の逮捕、投獄の不安と絶望の心理を描写する中盤、そして脱獄へ向けて一気に加速する中盤から終盤と、実に飽きさせることの無い、人間ドラマにしてスリリングでスピード感のあるサスペンスの良作である。

主演のヴァンサン・ランドン。
まあ、正直聞いた事ないわな、フランス映画なんて実際『エマニュエル婦人』くらいしか知らないし。
ごめん、実はエマニュエル婦人も名前くらいしか知らないんだ。
フランス本国では、コメディからシリアスまで、マルチな活躍をする結構な有名人であるという。
トム・ハンクスみたいなもんかな?
竹中直人みたいなもんかな?
実際のところ、スクリーンでの初見は「うっわ、冴えねえおっさんだなあ」という感じである。
ガード下あたりでクダ巻いてるよねえこういう人、ああいるいる、ってえ感じ。
それが、ストーリーが進むごとにだんだん格好良く見えてくるから実に不思議、演技派というのは伊達じゃない。
微妙な表情の演技も上手、上手く空気を出せる存在感がある。
まあ、べた褒めである。
妻役のダイアン・クルーガーは最近聞くようになった女優さん。
新しいところでは、ブラピの『イングロリアス・バスターズ』なんかで聞いた記憶がある。
いや、この映画が2008年だから、おそらくイングロリアス・バスターズはこれのあとだったのだろう。
美人さんではあるが、別段飛びぬけて、という感じはしない。
とはいえ、投獄されて磨り減っていく様をしっかりと演じている、あたり役だった.と言えるのではなかろうか。

大きな不満点は一つ。
映画の中盤後半あたりに、ジュリアンが人を殺して金を奪うシーンが存在する。
始めは銀行強盗をしようとして思いとどまり、次にとある登場人物を殺す事になるのだが、このあたりがどうにもいただけない。
演技自体は非常にいいものだし、カメラワークのスピード感、緊張感など文句のつけようがない良いシーンなのだが、ただ、なぜ殺すべき存在が”あれ”であったのか、という事。
結局は主人公の善良さ、そう言ったものにしがみつく姿勢というものを描写するため、話の筋として不可欠だと脚本が考えたのであろうが。
しかし、それであるが故に中途半端な主人公への同情心、のようなものを惹起させられ、あるいはそのように誘導しようとする背景が透けて見えるような気がして(実際にはそのような狙いが無かったとしても、だ)、不徹底で中途半端な印象が強くなってしまった感がある。
そこは徹底的に主人公を貶め、また、中途半端な良心や立ち位置などきっちり捨てているところをより強く描写すべきところだろう、と考えてしまったのである。
まあ、所詮は当方のタワゴトなのだろうが。
やや、残念な箇所であったと感じる。

総じて、いい映画である事は間違いない。
まあ、機会があったら見て頂きたい作品である。
なかなか、無さそうではあるが・・・。
兎に角、ハリウッド映画のように金をかけなくても、まだまだいいものは作れますよ?というお手本である。
稀にこういうのがあるから、映画はやめられないなあ。
しみじみ、そんな風に思う。

 

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