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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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むう、休みが消えた、きれいさっぱり。
信じられんことが起こる、まさしく事実は小説よりも奇なり、である。
というわけで、今週は予想している時間が無いので、簡易版という事とさせてもらおう。
今回のマトは函館メイン、マリーンSである。
収支は-14360円。
当てたいなあ。

☆ マリーンS 2010/7/18 函館 9R
      ダート 1700m 3歳以上混合別定 OP ☆


さて、先ずは展開である。
出走13頭中逃げ馬は外の⑫タカオセンチュリーと⑬エーシンモアオバーの2頭である。
それだけでも結構激化しそうな感もあるが、今回はどうやら⑤サンエムパールあたりも逃げに色気、やはりどう考えても速くなるのは避けられない情勢である。
ならば素直に差し~追い込みから狙うのが本筋だろう。
天候に関しては雨もありそうな塩梅、とはいえそこまで悪化するほどではなさそうで、せいぜいがやや重までであろう。
時計が出そうな感じである。


今回の当方の本命はメンバー中唯一の牝馬、⑧ラストアローである。
まだまだ叩いて4戦目、前走の競馬も軽量ながら道中じわっと詰めて終いも良く伸びていた。
夏は牝馬、その上今季の状態は本当によく、調教からも目立って調子の良さが窺われる。
現状なら、多少斤量が増えてもいい勝負になりそうである。
相手は前走より条件が緩和の⑬エーシンモアオバー。
逃げ馬で展開的には厳しいが、能力的には勝ち負けレベル、番手で折り合うような新味にも期待したいところである。
単穴指定は⑨オーロマイスター。
まあ、この馬も能力的には文句なし、叩いて3戦目で調教も順調に良化気配、差しが届きそうなこの展開では台頭もある。
以下①クリールパッション、②コロナグラフ、⑥アドマイヤスワットと続く。
⑪フサイチピージェイは実績上位も一つ叩いてから。

で、印を打つと

◎ ⑧ラストアロー
○ ⑬エイシンモアオバー
▲ ⑨オーロマイスター
△ ①クリールパッション
△ ②コロナグラフ
△ ⑥アドマイヤスワット

となる。
買い目は馬連で。

①─⑧ 100円
②─⑧ 100円
⑥─⑧ 100円
⑧─⑨ 200円
⑧─⑬ 300円
⑨─⑬ 200円


明日は買いにもいけないだろうなあ。
こんなときに当ったりすると、遣る瀬ないよなあ、実際。
まあ、そんなまさか、ねえ。
というわけで、明日も早いので寝る事とします。
おやすみなさい、皆さんは良い日曜日を。

 

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ス●イの無料鑑賞券の期限が過ぎそうだったので、先週末はあわてて劇場に駆け込んだ次第である。
何を見るかは全く考えていなかったのだが・・・。
馬鹿である。
そこで、パンフを見ながらいろいろ考えた結果、候補を3本まで絞ったわけである。
その3本とは
『バウンティ・ハンター』
『ハングオーバー』
そして表題の
『レポゼッションメン』
である。
バウンティ・ハンターは素直に面白そうだったが、夫婦モノということで食指が伸びず、また、ハングオーバーはコメディで、正直向こうのコメディでは笑えた試しがない当方である、ここは寄せだろうと考えレポゼッションメンにしたわけである。
・・・ひょっとしたら、一番外れを引いたかもしれないと、ひそかに後悔しているところである。


あらすじ

近未来の世界。
そこでは、人工臓器ビジネスが隆盛であった。
適性に左右されることなく誰にでも適合し、提供を待つ事も無い代わりに、人工臓器は非常に高額なシロモノである。
臓器会社「ユニオン社」は、そんな人工臓器のパイオニアであり、バカ高い金利をかけてそれを提供し、支払いが滞れば、合法のレポゼッションメン──人工臓器回収人──が、人工臓器保有者の生死に関係なく臓器を回収し、荒稼ぎしていた。
そんなレポゼッションメンの稼ぎ頭、レミーは、ある仕事のトラブルで、ユニオン社の臓器を埋め込まれてしまう。
莫大な借金を抱え込んだレミー、人工臓器を埋め込んで以来、臓器回収もできなくなり、代金を滞納、ついにはレミー自身が回収対象とされてしまう。
果たして、レミー君の明日はどっちだ!?

こんな感じである。
ハズレ、と前述したが、まあ、冷静に考えてみればそうともいえないかな?
純粋に主演のジュード・ロウが好きな人には、彼主演のアクション映画として、鑑賞する価値は十分にある作品である。
ただ、やはりと言うかなんというか。
宣伝が過剰だよねえ。
えーっと、無料パンフの謳い文句が下記である。

『真実を回収(レポ)せよ。』
『人工臓器を埋め込まれた最高のレポゼッションメン。彼を待ち受ける、驚愕の結末とは──。』

ぶっちゃけて言います。
いや、真実を回収せよ、とか。
驚愕の結末とは──とか。
結局、夢落ちじゃないですか!!
なんだそれー、二時間引っ張って夢落ちて!
まあ、厳密にいえば、新☆夢落ちってかんじなんだけど。
そら確かに、ジュード・ロウ主演でも、脇にフォレスト・ウィテカーとかリーヴ・シュレイバーとかステキ役者配しても、札幌ではス●イ単館とか、屈辱の仕打ち受けるっちゅうねん!
まあ、非常に、人件費が高そうな、凡作であるというのが当方の偽らざる感想である。


まあ、この映画の楽しみ方としては、だ。
一つに、前述したとおり、純粋にジュード・ロウのアクション映画としてなんも考えずに見るというやり方がある。
これが一番のお勧めだ。
少しばかりマニアックなやりかたなら、フォレスト・ウィテカーの発散する空気に酔う、というのがある。
まあ、一番オイシイ役どころだよね。
流石に名優だけあって、表情の見せ方一つとっても大変お上手であると感じた。
また、雰囲気もいいなあ。
このひとのみ楽しみにして、ストーリー等他一切カット、というのもアリだろうさ。

そういえば、最近リーヴ・シュレイバーよく見るよなあ。
当方があの人を初めてみたのが、確かデンゼル・ワシントン主演の『クライシス・オブ・アメリカ』とかいう変な映画だった。
まあ、今となって覚えているのは、サージェント・レイモンド・ショウという名前と豪華キャストの割にダメな映画だったという事だけだが。
それが今では引っ張りだこ、これから封切りになる『ソルト』にも、いい役どころで出演しているしな。
まあ、一風変わった雰囲気のある役者さんではあるし、使いやすいというところもあるのだろうが。
人はこのように、様々な黒歴史を経験しながら成長していくものだ・・・などと、穿ったことを考えてみたりする。


まあ、このように、決してお勧めできる映画とは言い難いわけだが。
こうなると俄然、候補だったほかの2作品が気になってきた。
面白かったら、首でもつりたくなりそうである。
エエイ!俺の見なかった映画など、全て駄作であるがいい!とか、物騒な事を言ってみたりする。
まあ、ちょこっとヤフー映画でも覗いてみようかね。
今週末は必死剣鳥刺しを見てくる予定である。
まあ、気が向いたら鑑賞記も書くかもわからんね?


 

誰だメイショウクオリアって!?
といった書き出しで始まる今回の雑記である。
ふはぁ・・・そういえば、函館洋芝って、一応一頭はダート馬チョイスしなくちゃならないんだっけ・・・。
間一年おいたので、どうもセオリーをわすれてるようなところがあるな。
まあ、連闘策はあまり好きくないし、いずれにせよ買えなかったとはおもうのだがな、困ったモンである。
そして相手が超久々のメイショウレガーロ、か。
メイショウ2頭で決まっちゃうとはなあ、残念無念。
当方の◎○は3着4着まで。
このあたりでさっくり当って欲しかったのだが、今回も深そうな感じである。


さて、参院選も無事終了である。
今回ほど難しいと思った選挙は、今までになかったかも知れない。
結果を見て、改めてそんな風に思った次第である。
確かに、あの盆暗総理のおかげで民主が大敗を喫した事は、素直に評価したいし、ついでに公明も順調に議席を減らしてくれて飯が美味い事この上ない。
ただ、民主がダメだからといって自民が増えるというのも納得いきかねるところだが。
まあ、未だ田舎のほうでは自民集票機構が健在であるという事だろうか。
自民一人区大勝は、素直にそれを示しているのだろうと考える。
まあ、狙いどおり(?)円より子は地獄に落ちてくれたようで何よりであり、頭の悪そうな民主のタレント候補どもも軒並み落ちてくれたのは大変結構なことであるといえよう。
やはりなあ。
消費税に関しては、少しばかり唐突過ぎたのだろう。
ろくすっぽ党内議論もされぬまま、いきなり10%に上げます、じゃあ選挙民も納得しねえわな?
以前も述べたとおり、何らかの増税策は国家にとって必要であるのは明らかだ。
しかし、あのタイミングで言い出すのは、今回の選挙で民主が勝ったのなら、国民的にはすぐさま増税OK?ということであろう、我々が戸惑うのも至極当たり前である。
いずれにせよ、民主としては稚拙さだけが目立った選挙であった。
やはり、あそこはO沢老がいないとダメな党なんだろうなあ。
これで菅の求心力も一挙に低下するだろうし、国政の運営も更に波乱含みで流動的になるかもわからんなあ。
所詮イラ菅である、ケツまくって投げ出したりしたら、恐らくは民主が立ち直るのもしばらくは難しかろうな。
いずれにせよ、消費税にせよなんにせよ、しっかりと議論を尽くして欲しいものである。

 

函館スプリントは残念な結果であった。
まあ、頑張っていたようではあるし、少しずつ状態も上がってきているのかなあ、というランチボックス君であった。
次はどこかな?もいっぺん狙ってみるのも悪くは無いだろう。
頑張って欲しいものだ。
これで今年度収支は-13360円。
ほどほど赤字が膨れたところで、そろそろJRA銀からの払い戻しターンと参ろうか。


☆ 巴賞 2010/7/11 函館 9R
       芝 2000m 3歳以上混合別定 OP ☆


北海道の殺人的な暑さも先週まででひと段落、どうやら過ごしやすい夏が到来なようだ。
ここ数日は曇り空で、降ったり止んだりなジメジメ感たっぷりの天候であるが、まあそのあたりは気にしないこととする。
夏場のこのレースとしてはそこそこ面白い面子であると感じるこのレース。
当方の大好きなホワイトピルグリムが出ているが、どうやら人気となりそうなのが切ない限りだ。
他は・・・どうだろうね?
お隣りメイショウレガーロは久々だが地力評価、千八安定のタガノサイクロン、前走前目で頑張っていたピエナビーナス、中距離で成績安定のデストラメンテ、前走好走で印象のいいショウナンライジン、復活なるかのナムラマースあたりがまだらの混戦模様である。
予想し甲斐のあるレースといえそうだ。


展開を読む。
まあ、実績的にはメイショウレガーロが先手だろうが、ほぼ一年ぶりのレースというのが気になるところ、ならば前走逃げて結果を残したルールプロスパーあたりが譲らないというのが当方の見解である。
レガーロが注文なら激化しそうではあるが、折り合い専念ならば淡々とラップを刻んでいきそう、直線手前でペースがぐんと上がる展開となりそうだ。
逃げ切りも視野に入れた上で、先行勢で瞬発力のある馬を狙っていきたい。


当日の函館競馬場の天候は晴れのち曇り。
今日は結構降りそうだが、明日は気温も上がりそうで、恐らくは結構回復するのではあるまいか?
まあ、馬場の状態はそれほど気にすることもあるまい。
それでは、一頭ずつみてゆく事としよう。


①ホワイトピルグリム 叩き2戦目。調教も動いており、上積みはありそうである。右回り平坦は良く走る馬、最内でもここなら地力は上位と見る。前さえスンナリ捌ければ勝ち負けまで、今回の対抗としたい。

②メイショウレガーロ 実績より地力上位、函館の相性も良い。六月頭から入念なプール調教、その後の坂路もしっかり乗り込まれ、十分に力の出せる状態に見せる。ただ、やはり十ヶ月半もの休養は不安、一つ叩いてからとも。今回は様子見としたい。

③タガノサイクロン 叩いて2戦目。とはいえ、やや強行軍なのが引っかかる。中一週を考えて調教は軽め、それゆえ状態に関してはよくわからないというのが本音だ。タメれば確実に切れる脚をもっているが、今回の展開で嵌まるかどうかも疑問が残る。見送りとしたい。

④トウショウヘリオス 8歳だし、ダート馬だし。まあ、なんでここに登録してきたのかが激しく疑問である。思い出作りであろうか?静観が妥当だろう。

⑤ウィルビーキング 前走は着順ほど負けていない印象がある。前々走阪神大賞典も、準OP勝ちの馬には酷なレース、このレベルなら力差はそうないような気もしないでもないが・・・。追い込み一本で他力本願なところは気に入らないが、それでも四位君ならなんとかしてしまいそうな気も。一応連下まで見ることとしたい。

⑥ピエナビーナス 馬体もどうやら回復し、状態もひと追いごとに良化している様子。夏、洋芝、函館三拍子揃っての巧者であり、前走も不利の響いた印象が強い。今回も低い評価はできないだろう。単穴まで見る事としたい。

⑦ルールプロスパー 前走はスローに嵌まってスイスイ逃げ切り。とはいえ瞬発力もありそうだし、札幌適性もそれなりにありそうで函館も走りそうである。ペースからも逃げ残り十分、よしんば先行でも恥ずかしいレースにはならぬだろう。今回はこの馬を狙ってみたい。本命とする。

⑧シャインモーメント 力は十分に通用するレベルにあるかと。この馬の問題はやはり洋芝右小回りにあるのだろうなあ・・・。どうも函館では走る気がしないのだが。今回は様子見としたい。

⑨ハギノジョイフル 休養前と比べれば、馬体的には天と地の開きがある、状態は随分と良くなった印象だ。ただ、やはり長期の休養明けということを考えると、一つ叩いてからというのが妥当だろう。今回は様子を見たい。

⑩キングブレーヴ やはり、ダート馬なのだろうなあ。まあ、そのダートでも行き詰まっている故の芝挑戦なのだろうが・・・。別定戦で56kgはいささか厳しく、まあ、静観が妥当であろう。

⑪メイショウクオリア なんでこうもダート馬ばかりが群がるのだろう。意味がわかんねえ。前走大沼Sからの連闘も意味がわからない。まあ、見送りでいいんじゃね?

⑫デストラメンテ 夏場の成績はいいし、この距離の成績は安定している。重賞クラスで好戦もしており、ここも圏内であろうと考える。脚質的にも魅力的。連下まで見ることとしたい。

⑬レッドアゲート 前走は軽量利して終いよく伸びていたし、暑くなって状態も上向きに見える。今回も斤量は53kgまで、まあ、面白そうではあるが。ただ、地力的にはいささか疑問もある、今回は様子見としたい。

⑭エフティマイア 膝骨折って痛そうだよね?そんな膝骨折から復帰してきたエフティマイアたんは当方が大好きな一頭ではあるが。まあ、八ヶ月休養明けということもあり、今回は様子見という事としたい。

⑮ショウナンライジン 函館では勝ち鞍こそないものの、成績自体は高め安定である。7戦して2着2回、3着1回、4着2回ならば上等であるといえよう。やや外目を引いてしまったが、差しの競馬ならこの程度は問題になるまい。連下まで見ることとしたい。

⑯ナムラマース まあ、いい馬だとは思うのだが・・・。札幌2歳で終ってしまった馬とも思いたくないが、上向きになると骨折したり転厩したりと、何かとトラブルの多い一頭である。地力的には明らかに上位だが、斤量もあることだし、流石に一つ叩いてからだろう。見送りとしたい。


というわけで、印を打つとこのようになる。

◎ ⑦ルールプロスパー
○ ①ホワイトピルグリム
▲ ⑥ピエナビーナス
△ ⑤ウィルビーキング
△ ⑫デストラメンテ
△ ⑮ショウナンライジン

で、買い目はというと

馬連
①─⑦ 300円
⑤─⑦ 100円
⑥─⑦ 200円
⑦─⑫ 100円
⑦─⑬ 100円
①─⑥ 200円


はい、というわけで、今回はルールプロスパーと心中という事である。
頑張ってほしいなあ、是非鮮やかな逃げ切りを。
まあ、今回は夏の入り口という事もあり、休み明けの馬も随分と目に付いた。
バッサリバッサリ機械的に切ってゆくと、こんな感じと相成ったわけである。
ノリだしなあ、変に人気にならなければいいが。
今週の予想のお供(BGM)はGamma Rayのアルバム、Somewhere out in spaceである。
いいなあ、ガンマレイ。
ワールドカップはタコのパウルのおかげで(?)残念なことになったが、それでもジャーマンメタルは世界に誇る偉大なる文化であるというに吝かではない。
ちなみに、当方がこのアルバムの中で一番好きなのがThe Winged Horseである。
いきなりのドラムソロとその後のペケペケしたギターとのセッションがたまらなかったりする。
恐らくは極めつけのマイノリティであろうこと想像に難くない、反省もしていない。
というわけで、良い日曜日を。
 

当方は、哲学というものがきらいである。
哲学、それはつまり世の中におけるいらないものの代名詞であるとすら考えている。
昔の異人の言葉なども、あまり好きではない。
特に、フランス流のエスプリの利いた、偉そうでその上ニヒリスティックな警句などは、虫唾が走るほど嫌いである。
昔の大統領や映画スターや物書きがもらした言葉などに、一体どれほどの価値があるというのか?
確かに、これらを巧みに会話の中に混ぜたりすると、どうしてなかなか、頭が良さそうに見えたりする。
また、こういった偉人の言葉というのは、議論や会話の中で提示されたりすると、なかなか反論しづらいものでもある。
そう云うものだ、そして、そういったものでしかないとも言える。
そんなふわふわした、上っ面だけの言葉吐くくらいなら、手を動かし体を使い汗をかけ、といいたい。


そんな哲学嫌いな当方が、現在、何かに挑戦するように『老子』を読んでいる。
なに、ほんの暇つぶしである。
暇つぶしなら、もっとそれに向いたものがあるのではないか?
イグザクトリー、全く以ってそのとおり。
ただ、まあ時としてこういうことをしたりするのだ、半年に一度ほどの周期で。
マゾっぽいとも、思ったりするが、おそらくこれがひねくれ者の血という奴であろうと、もう諦めている。


現在、この老子のテクストを、ざっと一渡り通して読んでみたところである。
意味がつかめなかったり、或いは理解できなかったり、そう言ったところは飛ばし、あらあらと読み下して全体像をつかもうという作業である。
それゆえ、あまり大きな事は言えないが、読み物としては、非常にひねくれて見え、それなりに面白い代物であると感じる。
こういった現在まで続くような偉大なテクストというのは、文章的に完成しており、読ませる力を持ち、その上で面白くなければならぬのだろう。
史記しかり、孫子しかり。
一般的に、儒教のテクストとして中に織り込まれている『春秋』などより、『春秋左氏伝』のほうが、読み物として成立し好まれているのを考えればわかりやすかろうか?
そういう面白さが、この老子には確かに存在する。


ざっと読んで驚いたのが、このテクストから採られたことわざや熟語で、現在も耳にするものが結構あるということである。
さすが、同じ漢字の国のお話である。
有名なところでは

・上善若水 上善は水の若し、最上の善は水に似ている、という意味である。当方の好きなお酒にも『上善如水』というのがある、このことである。

・大器晩成 大いなる器は出来上がるのが遅い。そのまんまである。

・千里行始於足下 千里の行も足下より始まる、という意味。千里の道も一歩からの原典。

・天網恢恢疎而不失 天網恢恢、疎にして而も失わず、の意。天網とは、世の中の道理というものが人を絡めとる様を天の網に例えた言葉、恢恢はとても広大である様のことである。天網恢恢疎にして漏らさずの原典。

これ以外にも、読んでいて「おっ」とか思う語句がたくさんあり、結構興味深かったりするのである。


さて、このようにいろいろ考えながら読んでいるわけだが、そのことをそもそもこの老子というテクストは否定している。
知恵の鋭さをやわらげ、知識を求めず学を棄てれば人は平穏になれる、というのがこのテクストの一つの趣旨である。
まあ、確かに、時には当方もそんな事を思う事がある。
所詮、知識などというものは知恵に積もる錆に過ぎず、そういったものは往々にして物事を見る目をくもらせるのではあるまいか、と。
ひたすらに平穏に過ごしたいならば、知識など求めぬのがよいのだろうと。
しかし、真に残念ながら、我々はもうすでに知恵の実をかじってしまった猿である、一度得た学問や文明というものを棄てることはできぬであろうことも良くわかっている。
その上、このテクストは、そもそも我々平民が読むためのものではないのである。
為政者のための読み物であるのが、ヒシヒシと感じられる。
人民には、知識を与えず腹を満たしてやれ、とか、昔の偉い為政者は人民を聡明にはせず、愚かにしたものだ、とか。
まあ、酷い書かれようである。
そも、老子の書かれた時代は、字を識る階級の人間は、必然支配階級の人間であるのだから、当然のことであるともいえる。
為政者に徹頭徹尾自分の目指した理想を押し付ける、そう言った書物であるといえよう。


まあ、所謂世界が広大無辺で、しかも極めて狭かった頃の御伽噺である。
自分の住む世界以外には国家は無く、外の世界の極めて進んだ文明を持つ異文化から侵略を受けるなど考えられなかった時代の、停滞を理想とした観念的な哲学書、といったところであろう。
そうでなければ、このような観念はとてもじゃないが考えられない。
こちらが停滞してる間に、向こうは着実に進んでいるのである。
しかし、部分部分を読んでみれば、どうして納得できるところも多いのである。
こんな文がある。

・小さい物を大きい物として扱う、少ないものを多いものとして扱う、難しい事はそれが易しい内に手がけ、大きい事はそれが小さいうちに処理する、世の中の難問というのは、必ず易しい事から起こり、世の中の大きな問題というのは、必ず小さな問題から起こるのである。

これなんかは、実に至言であるのではなかろうか?
何度、同じような事を思ったか、ここまで生きてきて数え切れぬくらい後悔を重ねたものである。
いつの世も、人間というのは変わらないものだ。
ついでに、この一文。

・安請け合いすればきっと信用されなくなるし、易しいと見くびることが多ければきっと難しいことが多くなる。

全く以ってそのとおり。
悲しくなるほど自分の小ささがわかってしまう、心に突き刺さる言葉であるといえよう。
まあ、もう少しばかり、この老子と向き合ってみるのも面白いのかも知れぬ。
そんな風に思う、この頃である。

 



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