忍者ブログ
2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
[3] [4] [5] [6] [7] [8]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

過日、数本のDVDを購入した。
中には当然、ラジー賞受賞作も数本あったのだが、そうでないまっとうな映画が大多数である。
時間があるときにでも、じっくりと消化しようと思っていたのだが、なかなかその時間も取れず、ついにここまで引っ張ってしまった。
で、未消化DVDの山を前に、どこから手をつけようか悩んだ末、デンゼル・ワシントン、ジュリア・ロバーツ主演の『ペリカン文書』を鑑賞することとした。

あらすじ

二人の最高裁判事が一夜にして暗殺された。
ホワイトハウス上層部の思惑もあり、事件の捜査は遅々として進まず、真相は藪の中かと思われた。
そんな中、一介の法学生であるダービー・ショウは、事件に関心を寄せ、犯人像を推定、事件の仮説を一つの論文として纏め上げた。
法学生の世迷言と一笑に付せられるはずのその論文「ペリカン文書」は、偶然に偶然を重ねてホワイトハウスにまで届き、やがてその内容はホワイトハウスに混乱の嵐を巻き起こし、ついにはダービーの命が狙われる事態にまで発展する。
同時にその頃。
ワシントンヘラルドの敏腕記者、グレイ・グランサムのもとに、事件について匿名の情報がもたらされる。
スクープのにおいをかいだグレイは情報提供者の特定に動き始めるが、結局は逃げられ、その後も何の進展も無いままに事件の尻尾は彼の手をすり抜けたかに見えた。
が、時を同じくしてかかってきた彼への匿名の電話が、彼に「ペリカン文書」の存在についてを教え、そのことが、彼とダービーを事件の中心へといざなってゆくこととなる。

感想

いやいや、これは面白い。
映画の封切りが1993年だから、いまから16年前の映画となるわけだが、それにしても古臭い感じは一切与えない。
陰謀モノ(?)としては、いままで見た中ではピカイチであるといっても良さそうである。
もともとこの映画の監督アラン・J・パクラはこのような脚本に異常な冴えを見せる人で、有名なところではホフマンとレッドフォードが競演した『大統領の陰謀』などが挙げられる。
とはいえ、それほど頻繁にメガホンをとる人でもないらしく、寡聞にして当方が知っているのはこの「ペリカン文書」「大統領の陰謀」そして「コールガール」くらいのものなのだが。
それでもこれら寡作が全て記憶されているわけだから、大したもんだといわざるを得ない。
そして、そんな中でも「大統領の陰謀」より、個人的にはコチラのほうが好みである。

そんな個人的高評価な映画ではあるが、これは当方のデンゼル・ワシントン好きにも引っ張られているところも否定は出来ない。
いいよねー、デンゼル・ワシントン。
男臭くて、色気もあり、それでいて雰囲気も十分。
現在、主役を張れる黒人俳優といえば、ウィル・スミス、ジェイミー・フォックスなどが挙げられるだろうが、どうにもその二人はあんまり好きになれない。
なんというか、演技がバタ臭いのである。
動きの激しい、いわば”動”の演技はまだ良いが、表情で、或いは役者自身が纏う空気で”魅せる”演技となると、途端にこの二人は大根となる。
このような演技も上手な黒人俳優といえば、古くはシドニー・ポワチエ、そしてモーガン・フリーマンあたりであろうが、その二人に引けを取らぬのがこの人だと感じるのである。
時に激しく、時に静かに、デンゼル・ワシントンの魅力が十分に味わえる、この映画はそんな作品に仕上がっている。

そのほかにも、このクラスの映画ならではの面白い役者さんが多数そろっている。
個人的に好きなのはグレイの上司役のジョン・リスゴー。
これは役どころの勝利だろうが、部下であるグレイに振り回される常識派の上司という役柄を、実に味のある演技でまとめている。
何度かオスカーにもノミネートされている実力のある役者さんであり、「ガープの世界」なんかが有名である。
それと大統領補佐官役のトニー・ゴールドウィン。
当方はこの人の正体は正直全く知らぬが。
劇中、大統領が健康診断で入った病院の中で、病室でペリカン文書を渡すシーンのあのえもいわれぬ複雑な、奇怪な表情がなんとも言えず大好きである。
そのほかにも大統領役のロバート・カルプ、FBI長官役のジェームズ・シッキングなど、なかなかに見せる役者さんがそろっている。
ジュリア・ロバーツに関しては、まあいいや。

さて、映画としては、だ。
140分もの長い鑑賞に耐え得る、じつにメリハリの利いた良い映画であると感じる。
少しづつ真相が明らかになってゆくあのカタルシスは中々のものである。
ただ、やはり全面的に誉められる映画というのはやはりそうはないもので、この映画に関しても気になったところはいくつもある。
そのなかで、最も気になったのがラスト近くの派手なアクションシーンだ。
前述したが、確かにメリハリ、という意味でもああいったシーンは必要だったのだろう。
が、当方には、どうしても帳尻あわせにとってつけたようにしか見えなかった、というのが残念なところである。
言ってみれば、時代劇において、ラスト十五分頃に派手な殺陣が必ず挿入されるのとおんなじ空気を感じたのである。
せっかくここまで上手い具合に陰謀劇を綴ってきたのだから、最後もそれらしく、なんというか、地味ーな暗ーい感じで解決して欲しかったのである。
あのシーンで劇中の事件が一気に動くのだが、そうではなく、もう少し結末がおとなしく知能的だったほうが、余韻が残るのではという素人考えなのだがどんなものだろう。
まあ、このように考えているのは当方だけかも知れないが・・・。

とはいえ、面白い映画である事は太鼓判である。
当方の駄文を読み、気になったのならば探してみるのも一興であろう。
有名な映画なので、レンタルあたりでも簡単に見つかると思います。
 

PR

さて、ラジー賞鑑賞記、初回はポストマンである。
一口にラジー賞受賞作といえども、部門別にさまざまな作品が存在する。
具体例を挙げるならば
・最低作品賞
・最低監督賞
・最低主演男優、主演女優賞
・最低助演男優、助演女優賞
・最低脚本賞
などなど、各々に受賞作があるのである。
この企画はそれぞれの受賞作を手に入れ、鑑賞し、そして感想を出してみよう、というものである。

第一回目のポストマンは1997年、第18回ラジー・アウォードにおける最低作品賞、最低監督賞、最低主演男優賞ならびに最低音楽(歌)賞に輝いた、ある意味主演にして監督であるところのケビン・コスナー様々な作品である。

映画のあらすじ

戦争により国家の枠組みが崩壊した近未来の世界。
地球環境の破滅とそれによる疫病の蔓延等で、人類はそれぞれ小さな集団に分かれ、集落単位での孤立した生活を行っていた。
ある男が居る。
そんな世界にあって、ただ一人、放浪を続ける男である。
ふとしたきっかけで随分と古い郵便配達人の死体を見つけ、その手紙を読んで、配達人に成りすますことを思いつく。
初めは糊口をしのぐための小さな嘘であったはずのそれは、やがて、大きな運命の渦となって彼と多くの人々を巻き込んでゆく事となる・・・。

感想

初めに。
存外楽しめた自分がいる。
SFスキーの知人に言わせると、.原作への冒涜であるなどと結構な辛らつさである。
まあ、自分は別にSF読みではないので、そのあたりは関係ないのだが、それでも世界観などは映像としてしっかり作られていたと感じる。
シナリオも決して悪いものではなかった。

特筆すべきは、上手な役者さんが多いこと。
具体的にはまず初めにべスリへム団の小男。
あれは上手だなあ。
どこかで見たことも在るような気がするが・・・。
まあ、役柄の勝利というところもあるかも。
名前はわからぬが、とても見事なはまり役であった。
それと、これも役柄が良かった一人ではあるが、保安官役のおじいちゃん、名前はDaniel Von Bargen。
さてさて、どんな役者さんなのか、台詞回しがかっこよく、声も良く通る。
何より、表情一つ一つが非常にすばらしかった。
そしてヒロイン役のOlivia Williams。
この人は上手いとかどうこう以前に圧倒的に美人さんである。
果たしてこの人が居なければ最後まで引っ張れたか、どうか。
スゲー、美人スゲー。
他にも上手な人が何人かいる。
大作だけあって、そのあたりには金がかかってそうである。

であるのに、だ。
何故ラジー賞受賞作なのか?
最大の要因は相変わらずバタ臭いケビンの演技に在るのだろう。
口を開けばわざとらしい。
黙ってさえ居れば結構絵になっているのだが・・・。
科白をまわした途端崩壊するのである。
映画自体がいささか長すぎたというのも要因の一つに挙げられるかも知れない。
まるまる三時間である。
当然、所々ダレが入るところもあり、寝落ちする人間も相当数居ただろうと考えられる。
ケビン・コスナーといえば。
ボディーガード、アンタッチャブル、ダンスウィズウルブスなどの超大作がまず思い浮かぶ。
この映画を大作、一大スペクタクルとして世に送り出したい、そんな主演であり監督であるケビンの思惑が裏目にでた形である。
そして所々の映像、シナリオ的なまずさ。
恐らく、何か強い印象的なシーンを用意したかったのだろうが。
あの少年の持つ手紙を馬に乗ったケビンが毟り取るところ。
なんというか、実にシュールである。
最後につなげる意図も無かったわけではなかろうが・・・。
それでもあのシーンは、実に、意味がつかみづらかった。
それとラストの戦争シーン。
心を獅子にしろ、なんてことを言いながら結局はいいおっさん二人の取っ組み合いで終わる。
正直、あのくだりはいささか電波過ぎて理解不能。
いや、其処まで引っ張ったんだからせめてもう少しなんとかならなかったものだろうか?
同じ場面のケビンの科白
「俺は合衆国を信じている」
あれもなんだか胡散臭すぎてもう聞いた途端に三時間を返せといいたくなったものである。

云ってみれば。
所々いやになったり寝落ちしそうになりながら、それでもオリビアに癒されつつ三時間近くモニターの前で映画を見つづけ、挙句の果てに落ちの部分でハゲのおっさん二人の取っ組み合いを見せられて「おれは合衆国を信じている」なんて科白を聞かされればそれはラジー賞にもなるっちゅうねん、というお話である。
なんだか、あの落ちの部分は映画『ヒート』のデニーロとアンディ・ガルシアのラストの追いかけっこを思い出すなあ。
ちなみに、誉めていません、断じて。

結論としては。
所々見所もあり、面白いといえるところもあり、オリビアも美人であり、しかしそれらをぶち壊すなにか暗黒なものもあり、と。
実にカオスな映画であった、というのが当方の感想である。
この感想を読んで興味をもたれた方は、ぜひお試し頂きたい。
結構、楽しめるとおもうよ?
ほ、ほんとだよ?
 



忍者ブログ [PR]
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
最新コメント
[12/17 TathoathSog]
[12/17 AlgossysoolvE]
[08/18 革命]
[08/13 NONAME]
[06/04 NONAME]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
ontai
性別:
男性
趣味:
読書 睡眠 ゲーム
バーコード
ブログ内検索
カウンター
お天気情報