一人の人間の是非善悪を問うとなれば、これはなかなかにむつかしい。
衆目に常に晒される立場である以上、世論或いはマスメディアなどに誘導されやすいのは致し方なしか。
本当の人柄などわからないというのに。
だが、それもむべなるかな。
そもそもあの立場に人柄など必要ない。
まあ、きっと人柄いいにこしたことはないが、人柄が良くても無能ではどうにもならん。
ただ、無能の観点をどこに置くかもまたむつかしい。
はたして全くの無能者があそこまで上り詰められるものだろうか?
派閥ばっかりデキて仕事は全くダメ、というやつも確かにいるな。
ダメでイヤな上司の典型ではあるが、きっと上の人間としては大変に便利であろう、まあ、1番天辺に上れるような人材ではないのだろうがな。
せいぜいが平取りあたりまでか。
・・・いやいや、平取りもスゲエよな、実際。
しかし、あの仕事はあの仕事なりにきっと派閥も大切だ、必要能力に勘定できるだろう。
ここまでの彼らは、とりあえずその椅子に座ればあとは周囲が切り回してくれた。
なにせ、まわりは仕事大好き人間ばっかりだ。
目の色変えて仕事の取り合いをしている。
なってしまえば案外なんとかなるのかも知れないな。
スキャンダルだけ気をつければだが。
特にシモ関連な。
それが崩れたのがここ十数年ほどだろうか。
上ってばかりだった日本経済がいよいよ長い下り坂に入り、それまでこの国の繁栄と直結していたその立場と周辺は、畢竟地盤沈下を起してしまうこととなった。
当然といえば当然か、人間というのは善悪抜きにして食わしてくれるほうにつくものである。
それがダメだとわかれば見切るのも当然早い。
そんな、ある意味諦めムードを直接被るのがこの立場の人間である。
これまでやめた、或いはやめさせられた人間で、ズタボロにならなかった存在など極々稀である。
それにしても、今回はそれにもまして大変である。
なにせ日本国中この騒ぎだ。
彼はさぞかし毎日が胃痛の連続であろう。
この間などは被災地に行って大いに突き上げを喰らったらしい。
大変だなあ、両者とも。
傍で見ると完全に八つ当たりなのだが、そんな八つ当たりしたくなる気持ちもわかってしまうので辛いところだ。
別段、彼が地震起したわけでもないし、津波起したわけでもないし、原発アボーンさせたわけでもないし(このあたりは少しばかり彼にも原因があるという説もある、事実であれば腹切ってもおっつかないね実際)ね。
会議ばかり作って仕事をしたような気になっとる!という説もあるが、確かにそのように見えるが、実際あの立場で他に何が出来るのだろうと考えると、途端に暗澹となる。
出来る事が思い浮かばない。
出来る人、アイデアを持つ人に集まってもらって案を出してもらうというのは、実際一人では何も出来ない人間という存在にとって、決して悪いやり方ではない。
問題は、そんな集まってもらった人材が全然機能しなかったり、本当はアイデアや能力なんかまるで無いのになんとなくそこにいるだけの人間の集まりだったりすることなのだが。
切ないなあ。
当方などは”東大教授”と肩書きつけば、当然その道の権威なのだろうと思ったりしていたし大多数の人々がそのように考えていたと思うのだが、とかく原発学会のそれら権威の無能な事無能な事。
そもそも事故が起き”ない”前提として存在しているものなのだから、こういった場合役に立たないこと甚だしい。
害にしかならないという喜劇が頻発した。
危機管理やケーススタディは大切だなあ。
今回の事で、多少なり健全さを取り戻してくれればいいが。
無理だろうな、きっと。
あと、阪神淡路大震災と比較する向きもある。
例えば、あの時は一時義捐金はもっと早く被災者に渡っていたとか、救援物資が行き届いていない等等。
これは正直全くの的外れ。
なにせ被害にあった自治体があまりに多数にわたるため、行政単位ごとの調整だけでも大変だ。
実際、被害の全貌割り出すまでうかつに金など配れないのは当然だし、実際問題として各行政単位ごとでの引っ張り合いもあったのではないかと当方は睨んでいる。
あと、救援物資云々も単純に範囲が広範に過ぎるといったところはあろうな。
”どこに”物資を届ければいいのか、果たしてどこに避難した人々が集まっているのか、交通、連絡が広範囲で完全に途絶してしまうと思うようには行かないのが当然だ。
そうならそうなりに何とかするのがお前の仕事といわれればそれまでなんだがな?
なかなか。頭で考えるようにはいかんのさ。
とまあこのように多分な同情もある反面、やっぱダメだと思うことも多い。
そもそもが彼自体前提として、母体の内部抗争から半分割る形で選出された人間である。
ああまでして相手を叩く事に汲々としていた姿を見ているだけに、この場面ですら彼の元にまとまるとは、お世辞にも考えられない。
その上で未だにそれが出来ないのは相手が悪いとか言うのだから始末に終えない。
小学生か。
とても、今回の事態を取りさばくに見合った指導力がある人間とは思えないのである。
どちらかといえば、器的には限りなく小さいのだろうなあ、と。
そして、忘れてはいけないのは今回の地震が起こる前、在日から献金を受けていた事実が発覚している事である。
まあ、彼としてはこの未曾有の国難に立場を捨てるわけにはいかない、というところだろうが、なんだか地震をエサに居座ってるようにしか見えないのだ。
実際、忘れている人も多いだろうしな。
本来は資格すら無い人間、その上でこの場面に見合った有能さを示せるのならまだしも、この状態では居座った分だけ害を垂れ流しそうで怖い。
なんとかねえ、雪隠詰めにしてでも挿げ替えることはできないのかな、アレ。
当方としては、素直に身を引いて欲しいのだが。
あの粘り腰はいったいなんなんだろう。
半ば本気で自分でなくてはこの国難は乗り切れないと、本気で思っているフシがある。
どこでどう間違えばそうなるのだろう。
前途多難であるな、総理も、この国も。
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