いやいや、ものすごい嵐だったようですね?
札幌あたりは確かに風は強かったが、まさかあんなひどい有様だったとはな。
毎年、本格的に春が来る前には嵐が来るものだが…。
ここまでとはいささか想定外であった。
とまれ、亡くなられた八人のご冥福をお祈りします。
さて、表題の『草原の椅子』である。
先々週末の封切りと同時に見てきたのだが、これがまた面白いんだなあ。
ということで、ちょっとした布教活動をば。
主演は佐藤浩市、脇を吉瀬美智子と西村雅彦でガッチリ固めた感じである。
お話としては、佐藤浩市演じる憲太郎の家に、親に見捨てられた男の子、圭輔が転がり込んできて・・・という、ある意味王道的な筋立てである。
最終的には憲太郎の親友である富樫(西村雅彦)と、意中の女性である貴志子(吉瀬美智子)、そして圭輔との四人で最後の桃源郷と呼ばれるフンザを目指すという、なんというかロマンたっぷりなお話だ。
通して見終わった感想といえば
「い~い映画だなぁ」
というもの。
ただ、どうなんだろう、この映画に関しては私ばっかり楽しめたが、果たして万人受けするものかどうか、いささか自信がなかったりもする。
コメディがやや強めに感じることがまず第一の要因に挙げられるか。
だからこそするする見られる映画であるのだが、故にであろうか、いささか映像的に”緩い”ように感じてしまう。
具体的には圭輔が実母に怯えるシーンであるとかな。
もう、背景としては暗くてやるせなくてどうしようもない───そういったシーンも、どこかポップに感じてしまう、深刻さがというものが薄く感じるし、また画的にももう少し重たく見せられるのではないか、という、やや首をひねる場面も結構あったりするのだ。
母親のキャラクターもあるんだろうが。
完全にネタだしねえ、小池栄子。
まあ、これは監督的にわざと軽く流すスタイルなのかもしれないし、あまり深刻になり過ぎないのがいいというひともいるだろうし、好みの問題でもあるのかもな。
ただ、それを抜かしてもやはりもう少しね、画面に鋭さというか、そういうものが欲しかったと思うのである。
お話的にもまた緩い。
前述の実母、小池栄子のキャラ造形とかな?
コメディ方面が少しばかり強すぎて、話がシリアス方面に向いたときの切り替え、緊張感が弱いとも感じる。
もうすこしシリアス目に作ってくれてもよかったんだぜ?とね。
そんなふうに思えたりもするのである。
ただ、これもねえ。
このお話の中にはいろんな問題提起があって、重く作ろうと思えばどこまでも重くなってしまう。
製作陣がそれを嫌った、とも考えられるしな。
やはり、このやや緩めな空気を好もしいと思えるかどうか、そのあたりの個々人の好みの問題ともなるのかなあと。
もうその時点で万人受けとかありえないのだが。
ま、そういうもんだよね、映画って。
個人的にはやはり西村雅彦かなあ。
基本的にあの人に関しては全肯定なんだよな、私は。
クサいよなぁ、くっさいんだよなあ。
もう、画面から溢れるキャラ臭というかね?
基本的に、佐藤浩市ってクサそうでクサくないよね。
存在感は割とあるけど、案外スンナリした演技する人だし。
吉瀬美智子に関してもそう。
となると、やはり濃い人が必要になってくるのだなあと。
キャストの選定にはGJ!としか言いようがないのである。
あとは吉瀬美智子な?
いやあ、綺麗な人だよなあ。
色気あって、それでいて品が良いしな。
映画見ながらなんど吉瀬万歳をしそうになったことか!
そんな吉瀬に
「今夜抱いてください」
とか言われた日にゃお前ハイ喜んでとしか答えようがねえっつーの!
いいなあ、言われてみたいせりふナンバーワンであるねえ。
あのラストの台詞一つ聞くだけでも1800円の価値は十分にあると思われるな!
とまあ以上のようにいろんないい話のこの映画である。
ちょっとね、この映画が埋もれてしまうのはもったいないというか。
私としては、今年初クリティカルヒット作品である。
皆さんにも是非お楽しみいただきたいですね。
PR