・牛耳る(ぎゅうじ─る)
まあ、意味はわかるな。
~を思いのままにする、といった意味であろう。
なんでこんな言葉なのか、というのがいささかの疑問である。
牛さんの耳だし。
少しばかり調べてみたい。
さっそく手許の広辞苑を開く。
曰く。
(牛耳を動詞に活用した語)牛耳を執る。ある人または物ごと、組織などを意のままに操縦する。首領となる。
とある。
うむ、まあ間違ってはいなかったな。
それはいいんだ、何故なのかが問題である。
───と、その後に牛耳を執る、でも解説が書いてある。
眺めてみると。
曰く。
〔左伝哀公十七年〕(中国古代、諸侯の会盟に、盟主が牛の耳を取ってこれを割き、その血をすすってちかったとの故事より)同盟の盟主となる。団体、党派などの首領となる。
との事である。
左伝、つまり春秋左氏伝からの故事なのだろう。
なるほどね、なんか動物の血をすすって盟約をかわす、なんていう場面が宮城谷氏なんかの小説に出てきたりするが、あれは牛さんの血なんだねえ。
しかも、耳とってその血をすするとか。
なんか、腹壊しそうだな。
まあ、兎も角も、そこから短縮されて本邦では”牛耳る”となったわけだ。
スッキリ解決である。
・ショートニング
突然だが、当方の知り合いに生クリームの食えない男がいる。
いや、まあ、生クリームだけではなく、厳密にいえばホイップクリームなんかもダメ、兎に角あの白くてふわふわで甘い奴(まあ、しょっぱいのは大丈夫かどうか、聞いた事も無いが)がダメな様子である。
受け付けないのだそうだ、吐く自信があると言っていた。
大変だな。
何か、幼少期のトラウマを感じさせるな。
まあ、それはいいとして。
ある日当方が職場の昼飯にと買ってきたコンビニのパンの中に、焼きカレーパンなるものがあった。
彼がそれを手にとって
「まさか、クリーム入ってないですよね?」
・・・・・・。
カレーパンにクリーム入っているというのは、流石に聞いたことないなあ。
まあ、カレーに生クリーム入れるというのは聞いたことあるかもだが、姿かたちがなければ大丈夫であるらしい事は、以前お土産で買って来た菓子の中に原材料として生クリームが混入したシロモノを黙々と食べていたことで証明済みである。
そんな風に言ったら、おもむろに原材料を読み上げ始めた。
「小麦粉、食塩、香辛料、ショートニング・・・ショートニングって何ですか?まさか・・・」
なんだろうね?
調べる事とする。
まずは広辞苑で、あるかなー?
曰く。
【shortening】製菓、製パン、料理などに使用されるラード代用食品。魚鯨油、牛脂、ヤシ油、落花生油などを混合し、硬化、脱臭したもの。100%油脂からなる。
あった、やっぱ広辞苑スゲーな。
というか、代用油なのかな?
ラードの代用品ということだし。
なんか硬化、とか書いてあるのがスゲー気になるんですけど。
固形食品なのだろうか?
激しく気になる。
というわけで、ちょこっとネットで検索してみることに。
ヤフー検索をかけたら一番トップにウィキが出た。
覗いてみる。
曰く。
主として植物油を原料とした、常温で半固形状(クリーム状)の、食用油脂である。マーガリンから水分と添加物を除いて純度の高い油脂としたものと考えてよい。製菓、製パンなどに用いるとさっくり焼きあがり、揚げ油に使用するとぱりっと揚がる。このように「さっくり」「パリッ」を表す意味での、英語の「short」が語源である。
なるほどねー。
たまには役に立つな、ウイキ。
ってゆうか、ショートニングで検索かけたら、山ほどネガティブなヒットが出るんですけど。
食べてはいけない、とか、トランス脂肪酸がどうの、とか・・・。
ヤバイのかな、ショートニング。
パン買ってきたコンビニのパン売り場に、「トランス脂肪酸の削減、全廃を目指し云々」って書いてあるポップが貼ってあったのだが?
具体的にはセブンなんだけどね。
いきなり使ってんじゃねーか。
あんの鈴木は嘘ばっかりついてんな!
まあ、ウィキのトップにショートニングの写真(瓶詰め)も載っていたのだが、クリームと見分けがつかない事について。
この写真見せたら、泣いて喜んでくれるに違いないな。
そも、ホイップクリームなんてのもざっぱに言えばサラダ油に砂糖突っ込んで泡立てたもんだからな。
気にしてたらなんも食えなくなるのさ、ははは。
困ったものである。
というわけで、今回は以上二つである。
これでまた幾ばくか、賢くなったであろうか?
それではまた次回。
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