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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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残暑も厳しいここ数日である。
夏の疲れもたまっており、体調を崩される方も多いのではなかろうか?どうかご自愛頂きたい。
というのも、当方がそのような憂き目に遭ってしまったからである。
まあ、自分自身ではないのだが・・・。


こんなサラリーマン川柳がある。
”片付けろ 言ってた上司が 片付いて”
良い出来である、あくまでブラックジョークとしては、だが。
しかしまあ、これが己の身に降りかかってくると、ジョークでは済まされない。
昨日の勤務中、上司のところから若いのが血相を替えて飛び出してきた。
「ああ、ontaiさん、○○さんが倒れました!」
「ハア?」
「いや、いきなりこう椅子からズルっと、そのまま動かなくなって・・・。どうしましょう?」
すさまじいうろたえ様である。
とりあえずその若いのについてきてもらって、上司の様子を確かめる。
目は開いているし、意識はぼんやりだがある様子である、ああ中ったな、と、瞬時に理解した。
中った、とは、所謂卒中である、恐らくは脳梗塞。
「すぐに119番しろ、俺は上に報告上げて、家族に連絡入れる。それと、お前急ぎの仕事なかったら付き添って行ってくれ、受け入れ先確定したらすぐにこちらに連絡しろ、こっちから場所と病院名は家族に伝えるから」
わが社のような所帯の小さいところは大変である、何でも自分でこなさなければならない。
これが大きな会社なら、しかるべき部署がしかるべくしてくれるのだろうが・・・。


そのように指示を出して数分後、救急車が駆けつけてきた。
近くに消防署があるとこのようなときに早くて助かる。
病院に関しては、やはり数軒受け入れを断られ、しかしそれでも病院に搬入されたのが三十数分後だったというから速かったほうではあるまいか?
おかげでその上司は一命をとりとめ、搬出時は左半身に麻痺が出ていたものの、薬剤治療でどうやら血栓が融けてくれたらしく、意識もしっかりし病状は比較的軽くて済みそうとの事である。


しかしまあ、その後が大変だ。
ご家族の方のお話では、おおよそ二週間ほどの入院で経過を観察し、麻痺や後遺症の程度も調べなければならないとの事。
頭ってのはおっかねえからな?
二週間上司の関っていた仕事をほかすわけにもいかず、とりあえずこちらに仕事のサルベージ命令が回ってきてちょっとしたパニックである。
まあ詳しい内容はここではとても書けはしないが、それでもやはり個人的に関っていた仕事も抱えているし、また、事務関係も書式の解からないものもあり、その他雑役が随分と。
こちらが頭を抱える次第である。
ああ、せっかく休み無しのバッドスパイラルから抜け出したと思ったら・・・。
今度はこちらが過労で倒れそうである。
胃に穴があくほうが先か、まあ、いずれにせよまたしばらくは忙しい日々が続きそうである。
 

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昼日中はまだまだ汗ばむ陽気であるが、それでもふく風は確かに秋の涼気を孕んでいる様子である。
競馬は・・・まあダメダメですわ。
予想的には悪くないのだがなあ、リアルハヤテを何とか▲まで押し上げられなかったものか。
後悔ばかりが降り積もっていくなあ、実際。
それが生きるという事なのだろうか。
さて、そんなダメな話はおくとして、先週は表題のとおり、『クレイジーハート』を鑑賞してきた。
この映画について、つらつら述べていこう。


あらすじ

バッド・ブレイクはかつて一世を風靡したカントリーシンガーである。
そんな彼も現在は老境に差し掛かり、本業のシンガーとしてはもう何年も新曲を出せないまま、かつての持ち歌でドサ回りしながら埋め草の如き日々を過ごしていた。
酒びたりでアル中なそんな半老人に、とあるドサ回り先で地方紙の記者、シングルマザーであるジーンが取材を申し入れる。
バッドはそんなジーンに一目ぼれ、彼女もバッドの情熱を受け入れ、彼にとっては久しぶりの人間らしい生活が戻ってきた。
二人のために頑張ろうとするバッド、しかしそれもつかの間の話だったのである。
果たして、二人の仲はどうなるのか、バッドは立ち直ることができるのであろうか?


この映画を見てつくづくと感じた事。
それはなんと言っても「女は強えなあ実際」という事である。
男なんて生き物はどうにも昔を引きずるもので、例えば十年も前に酷い別れかたをした昔の女のことを時にふと思い出しては「あの時こうしていれば・・・」とか考えてのた打ち回ったりする事もあったりなかったりである。
あれ、ひょっとして俺だけか?
まあそれはそれ、男だったら引っ張ってしまいそうな事柄にも、女というのは、ハタから見るとそんな過去はまるで無かったかのようにさっと切り替えて次の現実に向かっていける剄さというものがあるような気がするのである。
このジーン役のマギー・ギレンホールもそんな女の一人。
まあ、子供作って相手と別れて、そんでもって次の男がアル中のカントリー歌手という時点で最早ダメ男スキーなかほりがプンプンなのであるが。
それでも「コイツダメだ」と思ったらぱっとぶった切って次会った時は左手の薬指に指輪を嵌めてるとか、もう我々ダメ男からすると感心する事しきりである。
もし、こんな光景に出会ってしまえがば、我々ロマンチックダメ男はいろいろ考えたり思い出してしばらく放心する以外に取れる行動など絶無であろう。
本当に、男って奴ぁなあ。


まあそんな主観臭漂うダメ感想は別として。
先ず、そこそこ面白い映画ではあった。
世の無常、ダメ男の再生、そして再生してなお世の中はダメ男を置き去りにするかの如き終わりようは、ある種の強い感慨を、観る者に与えずにはいられないだろう。
思わずスクリーンに向かって、頑張れ!と叫びたくなってしまった。
しかしまあ、何と言うか、主演のジェフ・ブリッジスの汚ねえこと汚ねえこと。
あそこまで行けばただの小汚いジジィである。
とてもアップには耐えられないといったところだ。
それでもまあ、流石に名優と呼ばれる人種だけのことはある。
その存在感は圧倒的だ。
例えば、バッドの弟子で現在はスターとなっているトミー・スウィート役でコリン・ファレルが出演しているのだが。
まあ、わざとそのように演じそのように撮っているという事もあろうが、一緒に同じ場面にいると、どうしてもフンワリ浮いて見えたりするのである。
重ねた年輪の重さとでも言おうか、まあ、コリン君にとってはちょっとばかり損な役回りであったとも言えようか。
逆に、わざとそんな風に演じているならたいしたモンだがな?
そして、狸顔のマギー・ギレンホール。
まあ、なんというか安定したいい演技なのだが、観ているうちにその狸顔がかわいく見えてくるから不思議である。
これが銀幕スタアの魅せる力という奴だろうか。
もう、終わる頃にはマギーたんにメロメロである。
イイ女万歳!


もう札幌あたりではそれほど上映期間も残っていないだろうが、機会があったら観て損は無い映画であろうと思う。
こんな風に後を引く映画も、たまにはいいものである。
 

いよいよ秋競馬の開幕である。
秋のGⅠシリーズを控え、それを目指す実績馬、上がり馬などがこぞって参戦するべく、中央方面の重賞に名乗りを挙げる昨今、当方はといえばただ淡々と札幌の条件戦を予想しますよ?
だがそれがいい。
せっかくのお休みの到来なので、競馬場にでも足を運んでみるかとも、競馬新聞をつらつら眺めながら、そのように考える秋のひと時である。
今年度収支は-22360円。
回収率にしたら背筋が冷たくなりそうでおっかない。
まあ、気を取り直して、頑張っていきましょう。


☆ UHB賞  2010/9/12 札幌 11R
      芝 1500m 3歳以上混合 定量 1000万下 ☆


定量ながら3歳馬がチラホラと。
春に善戦していた⑧レトや、そろそろクラス慣れしてきそうな⑪サトノジューオーなど、けっこう人気となりそうである。
対する古馬は、やはり前走札幌スポニチ賞で善戦した実績組、①メジロチャンプと②ブリッツェンだろうか、前走500万下で勝ちきった③ネコパンチなんかも、ヒモまでではあるがそこそこ人気となりそうだ。
まあ、人気的に主力になりそうな面子はそんなところかな?
頭数こそ少ないが、楽しいレースとなってくれるといいなあ。


では、展開を読む。
今回はどうやら単騎逃げの①メジロチャンプ、あいてはお隣りの②ブリッツェンだが、ここは控えて番手追走となるだろう。
他はこれといって特になメンバー、道中は落ち着くのだろうというのが当方の見解である。
やや内馬場の荒れが気にはなってきたが、それでもこのペースならば逃げ粘りが利きそう、逆に差し~追い込みではいささかきついかもわからんね?


明日の札幌の天候は晴れ。
降水確率も0%、気温も上がって秋晴れというにはやや暑いくらいの天気になりそうである。
馬場の心配はいらないだろう。
それでは一頭ずつ見てゆくこととしようか。

①メジロチャンプ 単騎逃げ有効とはいったものの、どうにも胡散臭さがつきまとう。前走もマイペースで逃げながらブリッツェンとは決定的な差をつけられた印象、状態的にも特に変わったようなところもなく、力差は歴然と見る。他の馬のほうが面白く映る、今回は様子見としたい。

②ブリッツェン まあ、このクラスなら恥ずかしい戦いはできないだろう。あとは未知数の3歳勢、特にレトあたりとの相手関係だろうが・・・。今回はこの馬を対抗とする。

③ネコパンチ 名前がかわいいなあ。ちなみに当方は犬よりも猫派である、まあ、猫アレルギーなんだけどな?札幌実績もあり適性は高そう、とはいえ今回が昇級緒戦、どこまでやれるかなあというのが当方の印象である。今回は様子見という事で。

④リアルハヤテ 父マンハッタンカフェは案外産駒の距離を選ばない印象、母系はクリスタルグリッターズで明らかに軽め、この馬としてはここまで二千以上で3勝しているが、気性からむしろこの距離くらいのほうが流れには乗りやすいのではなかろうか?存外今回は面白く感じる。新味に期待して、連下まで見ることとしたい。

⑤レディハニー 叩いて3戦目だが、どうやら状態は上向きの様子だ。とはいえ、距離的には千二がメイン、マイルでも結果は出ておらず、いささか厳しい印象がある。今回の展開では差しても・・・という感じも受ける。様子見としたい。

⑥ピエナブラヴ さて、今回の連闘策がどう出るか、陣営としては状態の良さを考えてのことだろうが。前走は昇級緒戦で出遅れながらも終い追い込んで0,4秒差の6着まで、出遅れさえなければ十分に勝ち負けの内容である。あとは2kg増える斤量のみなのだろうが・・・。連下まで見ることとしたい。

⑦ヒシフラッシャー 今回は調教から動きも素軽くなってきた模様、馬体も出来上がりつつあるようだ。ただ、能力的にはいささか壁を感じるところもあり、どこまでやれるかといったところ。静観が妥当か?

⑧レト 調教も今一つな動き、もともと調教駆けしない馬とはいえ、もう少し見栄えがほしい。能力的には今ひとつ解かりにくい馬ながら、実績は残しているので低い評価はしにくいが。まあ、一応連下まで見ることとしようか。


⑨ハイローラー 札幌芝はダート馬の出番、ということで今回はこの馬を本命としたい。もともとダートでは現級も勝ち上がっているし、スタートさえスムーズならそれなりの位置につけられそう、今回の見込みペースもこの馬の味方となりそうだ。鉄砲もそう悪くは無い馬で、終いの叩き合いまで持ち込めれば十分に目はあると見る。

⑩ニシノウェーブ 今回の調教で状態がガラッと変わってきた。叩いて3戦目は上積み十分、大仕事の予感である。騎手中舘は正直やや不安だが、今回は単穴まで見ることとしたい。

⑪サトノジューオー さて、どうかなあ。右小回りは向かないかもしれないなあというのが当方の見解、もう少し広い競馬場がいいかもわからんね?一つ叩いて状態は上向き気配だが、今回は定量戦、斤量も増えるし不安一杯である。まあ、様子見という事としたい。


というわけで、印を打つとこのようになる。


◎ ⑨ハイローラー
○ ②ブリッツェン
▲ ⑩ハイローラー
△ ④リアルハヤテ
△ ⑥ピエナブラヴ
△ ⑧レト
 
で、買い目はというと。

②─⑨ 300円
④─⑨ 100円
⑥─⑨ 100円
⑧─⑨ 100円
⑨─⑩ 200円
②─⑩ 200円


とまあこんな感じの予想である。
案外人気の無い馬が面白そうなレース、果たしてどうなることやら。
ハイローラーの丸山元気君に期待したい。

さて、前述したとおり、いよいよ秋競馬開幕である。
ということで、ざっと別開催の重賞も見てゆきたい。
まずはセントウルSから──。
キンシャサノキセキ取り消しで一気に混沌とした印象のあるこのレースである。
人気どころはまず香港の①グリーンバーディー、北九州記念を勝ってここへの⑥メリッサ、どうやら復調気配の見える⑨サンダルフォン、3歳ながらCBC賞3着、嵌まれば怖い⑪ダッシャーゴーゴー、そして秋は上がり馬、いよいよ充実の⑯スカイノダンといったところである。
スカイノダンに関しては不運としかいいようの無い大外枠、勝ちきるまではどうかといったところか。
グリーンバーディーも最内引いて、果たしてこの頭数で内差しが決まるか微妙なところ。
そこで浮上するのが阪神王、⑧タマモナイスプレイ。
前は結構速くなりそうだが、まあこの馬としてはあまり関係が無い。
ハイペース上等、ここでもやりますよ?
相手はガッツリ嵌まりそうな⑪ダッシャーゴーゴー、そして何でこんなに人気が無いのか⑬ヘッドライナーあたり。
タマモから人気どころに薄く流します。
京成杯AHは馬場のいい最内引いた①フライングアップルあたりが最右翼と見る。
斤量も妥当、この馬場状態なら前でまんまと残りそうな感じ。
相手は良くぞ上がって来た⑤ムラマサノヨートー。
ここまで随分とかかったが、叩き3戦目でそろそろ上昇気配も漂う、54kgならば切れ味も十分、一発ありそうな気配プンプンである。
フライングアップル、ムラマサノヨートー軸に三連複で流したい。

今回の予想BGMはジャン・マルティノン指揮フランス国立放送管弦楽団演奏のサン=サーンス交響曲イ長調である。
サン=サーンスといえば動物の謝肉祭や交響曲第三番ハ短調オーパス78オルガン付き等が有名であるが、なんのなんの、それ以外にも良い曲が一杯ありますよ?
特にこの交響曲イ長調、出だしの弦の響きと打、管の合流部分など、まさしくフランスのエスプリを感じさせるに十分な美しさである。
その後も全編通して軽妙で美しい響きを保ちつつ、最後まで聞かせる楽曲となっている。
このあたりの楽曲などは、もっと見直されてもいいものだと思うのだが、今一ついつまでたってもマイナーなまんまである、まあ、当方のようなひねくれ者にはそれがまたいいのだが。
時には、サン=サーンスの美しい響きに身をゆだねてみるのもいいものである。
それでは、良い日曜日を。

 

さてさて、先週の競馬も結局は当方の本命コスモヴァシュラン君は最後着と、こちらのほうが背筋が寒くなる様子である。
やれやれ、困ったもんだ。まあ、わかっちゃいたけどね?
結果のほうはほぼ予想通り、とはいえ、トウカイメロディがまさかあれほどのパフォーマンスを見せるとは思ってもいなかった。
どうやらこれで本物か?
ただ、惜しむらくは今回使ってしまった事。
こっから休養に入ってぶっつけで菊らしいが、残念ながらそこまでGⅠは甘くない。
陣営の描いた絵としては、菊がダメならステイヤーズSで賞金を加算し有馬、といったところだろうが、そこまで上手くいくかなあ?
有馬向きの馬ではあると思うのだが。
まあ、来年に期待といったところだろうな。


相も変わらず暑い日が続くここ札幌である。
朝夕は随分と過ごしやすくなってきて、いい塩梅ではあるが。
まあ、どうやら全国的に暑い様子である、京都で四十度近くまで行ったんだって?
すげえなおい。熱帯雨林が出来そうだ。
そんな日々、当方は先日ふらりと近くの古本屋で文庫の渉猟などしゃれ込んだ。
戦利品は一冊のみ、菊地秀行の
『幽剣抄』
である。


さて、菊池秀行氏である。
どっかで聞いたことあるんだけどなあ・・・。
と、扉を開くとプロフィールが載っている。
デビュー作は『魔界都市<新宿>』、その後『吸血鬼ハンター”D”』、『魔界医師メフィスト』『魔界都市ブルース』などのヒット作を産み出す、とある。
・・・んん?
随分と魔界が好きな人だということはわかった。
吸血鬼ハンターDって、むかーしそんなアニメを見たことがあったようななかったような・・・?
内容までは覚えていないが、そうか、その原作の人なのか。
どちらかといえば、ファンタジー畑の人なのかな。
まあ、いかにも曰くありげなタイトルである、裏表紙のト書きにも怪談時代小説のようなことが書いてある。


時に、当方という人間は、ホラー小説というものが嫌いである。
ああいったもののどこが面白いのかサッパリ解からぬ。
以前、人に進められた有名どころの数冊を見繕って購入した事があるが、まあ小説としては下の下なシロモノばかり、文体は薄い上にくどくどしく、正直これが商業レベルで通用する業界とジャンルいうものの存在意義すら疑ったほどである。
そこからはひたすら忌避、というよりは無視して生きてきた次第である。
まあジャンルが悪いわけではない、書いた人間がクズなのだということはわかっている、ちゃんとした人がしっかりとした技量を下敷きにまじめに書けば、すばらしいものも出来上がるのだろう。
きっとな!


そんな当方がなぜこのような小説を?とお思いの向きもあるだろう、作者すら知らないのに・・・だ。
まず一つはその文庫の扉絵。
着流し姿のざんばら髪の、抜き身を引っさげた顔色の悪い男が口元からわずかに血を流してこちらを見つめている。
その絵が───なにやら大層魅力的に映った事。
そして裏のト書きに書かれている小説ジャンル。
曰く「傑作時代小説怪異譚」とある。
じぶんで傑作言うな、とも思うが大切なのはそこではない。
頭に”時代小説”がついているところだ。
かの池波正太郎氏も鬼平犯科帖で「大川の隠居」という一種の怪異譚を挟み込むように書いている。
当方は、ホラー小説は嫌いだが、怪談、怪異譚は大好きである。
どこが違うのか、と問われれば、ニュアンス、としか言い様が無い。
ラフカディオ・ハーンの怪談が嫌いな人間などほぼいないであろう、前述の池波氏しかり、やはり書き手の確かな技量が必要なのである。
そして、少なくとも当方の知る限りにおいて、ホラー作家と名乗る近々の存在にその技量を持つ人間は存在しない。
まあ、キングなんかは別格である。
あそこまで行けばたいしたもんだが、あれは完全に彼のオリジナルでありキャラクターである、キングを真似たところで本物を越せないのは当然のことだ。


まあ兎に角だ。
そんなこんなでいろいろなものにひきつけられて、この文庫を何百円か出して購入したわけである。
さて、家に帰って飯を食い、そういえばと思い出したようにつらつら眺めて仰天した。気付くと二時間が経過していたのである。
これは・・・本物臭い。
小説の技量筆の力作法もさることながら、初めての時代小説とは思えぬほどの落ち着きである。
筆が乱れる事が無い、淡々として重厚でもあり、そして軽妙でもあり、兎に角流れるような筆致とまた物語構成の上手さはまあ近頃類を見ないほどの上手である。
べた褒めだなあ、当方。
しかし、それくらいの価値は、この短編集には十分にあるだろう。
上質の短編5本の間に更に短い4本の超短編を挟み込み、面白くそして飽きも感じさせず、この構成の見事と言うより他は無い。
ここまで全く聞いたことも無い作家さんであったが、思わず昔の作品を取り寄せしたくなってしまった。
まあ、既に三十年も作家生活を続けていて三百もの本を出している大ベテランである、ここまでこの世界で生きてこられるのだ、実力は折り紙つきで固定ファンもついているのだろう。
それにしても・・・ここまでの作家さんを全くといっていいほど知らずに生きてきたとは。
いまさらながら世の中は広いと思い知らされる。
遺憾であり、慙愧に堪えないというやつだ。


まだまだ暑い秋の夜、時には上質な怪異譚はいかがであろうか?
背筋の寒くなることうけあいだ。
当方がこの短編集の、一番の印象に残っているのは、前述した超短編の一本
『茂助に関する談合』
である。
多くは語られないが、なにやら背筋にうそ寒いものを感じたのは確かである。
是非、お勧めしたい、まさに傑作である。
 

さて、いろいろと煮詰まってきたこの頃、予告どおりレイトでベストキッドを鑑賞してきた。
SCFの中でも二桁番台の手狭な劇場で、それでもおおよそ半分程度が埋まっていたのには驚いた。
割と評判なのかな?
その割には劇場狭いんだけどなあ・・・。


あらすじ

母の仕事の都合でアメリカから北京に引っ越す事になったドレ(ジェイデン・スミス)は、引っ越したその日にちょっとしたことで地元の少年チョンと喧嘩するはめになる。
チョンはカンフーをよく遣い、その場でコテンパンにのされてしまったドレであったが、ドレの不幸は、これから通う事となった学校にそのチョンがいたことであった。
その日から執拗ないじめにあうドレ。
中国にも学校にも馴染めぬドレは、ある日チョンに復讐を思い立ち、バケツで汚水を引っ掛けることに成功するが、その後はチョンとその取り巻きたちに追いかけられ、絶体絶命のピンチを迎える。
そこに現れたのはドレの住むマンションの冴えない管理人、ハン(ジャッキー・チェン)だ。
彼は実はカンフーの達人であり、ドレを追いかけていた六人をいとも簡単に撃退してしまう。
それを見たドレは、ハンにカンフーを教えてほしいと頼むが、どうにも乗り気でないハン、その後紆余曲折あり結局は教えることとなるのだが、そこから二人の交流が始まっていくのである。


だめなんだなあ、こういうの。
もうね、なんていうか、卑怯だよね?
いじめられっこが師匠について強くなって、大事な試合の前にはロッキーの階段駆け上がる的な演出があって、そして敵役との激闘があって、最後はお互い解かりあって終わり、というやつ。
もうお約束もお約束、使い古されていてなんというかお話にならないレベルであるといえよう。
ただ、一つだけ言える事は。
大 好 き だ !という事だけである。
いやいや、スッゲー好きなんだなあ、こういうの。
まーた敵役であるチョン君の師匠というのが、どうしようもない奴でさあ、あいつ最悪だよな!
だ が そ れ も い い 。 
所謂お約束、予定調和といった奴なのであり、最早すでに様式美の世界であるわけだが、こういった約束事ならもうどんどん来なさい的な当方がいるわけである。
あんたらサイコーだ!


それにしても。
ジャッキーはジャッキーで最後まで冴えないおっさんに徹していて、あれはあれでよかったと思うが。
まあ、何と言うか、ジェイデン・スミスの上手い事上手い事。
お父さん超えてるじゃん、楽に。
もうウィル・スミスなんて目じゃないレベルであるといえよう。
ちょっとばかりアクは強い目だが、作品中ではそれもまたいい味になっている。
ここのところ子役でいろいろ思うところがあったが、やはりむこうさんの子役はレベルが異常であるといえるだろう。
また、敵役チョン君は中の人不明だが、これもまた小憎たらしい感じが良く出ていて大変お上手である。
まあ、ヒロイン役の女の子はいいとして、だ。
タイトルどおり、まさに子供達が頑張って作り上げた、彼らがどこまでも主役な映画であるといえる。
そして前述したチョン君のお師匠さん。
コイツがまーた悪い奴なんだが、このひとどっかで見たことがあるんだがなあ・・・?
なんか、プロジェクトAとか、そのあたりのゴールデンハーベスト系映画で見たような見なかったような・・・。
まあ、あんた輝いてるよ的ないい仕事をしていたので、前身など気にせず拍手を送りたい。
悪役スキーな当方の一人ごつである。


いやいや、もうすっかり満喫しましたよ。
ここ数年で一番面白かったかも知れないなあ。
こうも煮詰まっている時だったからこそ、たまにはなんにも考えんと一喜一憂できるこんな映画が輝くのであろう。
疲れた現代人のみなさんへ、是非見ていただきたい映画であると愚考する。
 



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