連日、暑い日が続いている。
もうそろそろ秋風がふいてもおかしくない時期なのだが。
暑さ寒さも彼岸まで、という言葉もある。
いい加減落ち着いてほしいものだ。
先日、ステラプレイスに映画を見に行った。
見てきた映画は
『ニューシネマパラダイス』
少し前のイタリア映画である、多く人口に膾炙される割には当方は見たこともなく、これを機にと鑑賞を決意した次第である。
驚いた。
なにせ十時上映で九時半頃についたにも関らず、窓口で
「大変込み合っておりまして、お席もあまり選べないのですが」
とか言われてしまった。
この催しで、満席というのは一度も見たことがない。
結局、ほぼ満席まで埋まり、当方も随分と前の席で、スクリーンを見上げる事となってしまった。
やはり、意外に見たことの無い人が多い映画なのかも知れない。
映画の感想自体は
「変な映画」
というものである。
映画史上に燦然と輝く名画をふんだんに絡めながら、一人の男の子供から青春時代を活写した、所謂ひとつの青春映画という奴である。
青春映画なのだから、変な映画であるのは当然だ。
なにせ、青春時代というものそれ自体が変なものなのだから。
それでもラストのキスシーンのカットの連続は非常に斬新で、イタリアの感性というものをまざまざと見せ付けられたという印象である。
そして、当方は現在、他人との感性の差異について、考えさせられている次第である。
映画のラストに差し掛かり、隣りに座っていたお姉ちゃんが、ハンカチを目に当て、さめざめと泣いているのが見えた。
えー?どこに泣く要素が・・・とおもったら、結構な人間が同じようにハンカチを目に当てている。
なして?
ちなみに、数日前、同じ映画を見てきたという人と話したのだが
「いやー、俺も最後泣いちゃってさー」
とかいっておりました。
いやいや、やっぱりおかしいって。
あんなん泣くような映画じゃないじゃんよ。
と、ふと思いついた事がある。
以前、『オーケストラ』を見た時にも同じようなことを考えたのを思い出した。
ひょっとしたら、当方は『泣く』というその情動の発露的な行為において、他人様と、あるいは社会的に見て相当に違った感性を持っているのではあるまいか、と。
はみだしものである、デスペラード!
そういえば、映画で泣いた事がないことを思い立った。
いや、一度だけあるか?
タイトルは忘れた、確か中学生くらいの頃、深夜にテレビでやっていた英中合作の映画だったと思ったが・・・。
英中合作といえばラストエンペラーを思い出すが、もっとマイナー、兄弟のように育ったイギリス人と中国人が、戦争でお互いの絆が云々・・・といった内容だった、はず。
随分と昔だなあ。
もう二十年ほど前か、マニアックなところで泣いてるな、俺。
作品名さえ覚えてないってのに。
或いは、これは相当以前から思っていた事であるが、ひょっとしたら当方、感情の沸点が、殊泣くということに関して限定ではあるが、相当に高いのではなかろうかということも考えられる。
ちなみに。
当方の記憶にある中で、マジ泣きした最後は・・・。
奴隷市場、かな?
ちなみにエロゲーである、発売は確か2000年頃だった、はず。
もう十年以上前だよ、しかしエロゲーでマジ泣きって。
馬鹿だよなあ、実際。
しかも泣いた場面がおっさんの一人語り、その上声無し場面。
ラル・イーブンジグの台詞であった。
「たとえどこの国の支配にあろうと、若者達は幸せになるべきだ。恋をし、結婚し、子を育て・・・それをお前たちは・・・」
とかいう台詞だったなあ。
実際、良いゲームだったがなあ、あれは。
まあ、エロゲー云々言ってる時点で、大衆との感性の差異なんてモノはとっくに飛び越えちまってるんだけどな!
己のダメさ加減を再確認した、この頃である。
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