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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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まだまだ寒いここ札幌である。
ただ、最低は相変わらずマイナス二桁まで行く事もあるが、最高がどうやらプラス付近まで上がるようにはなってきた。
朝晩冷え込むが、昼間活動する分には動きやすいくらいで結構であるかもな。
後少しで三月に入り、身のちぢこまるような寒さともしばらくはおさらば、という事となろう。
せいぜい満喫しておく事としようかな。
まあ、いい加減飽きてきてはいたので、春の日差しが素直に待ち遠しいこの頃である。


過日、近所の本屋さんで一冊の小説を手にした。
幻冬社文庫より出ている、小路幸也という作家さんの『ホームタウン』という小説である。
作家さんの名前自体に聞き覚えはない。
まあ、当方は確かに本はこれでもかというくらい読むほうだが、それでも積極的に情報収集をする人間ではない、流行作家の類には相当に疎いほうであると自認している。
帯の紹介文には『メフィスト賞作家云々』と載っているので、なるほどメフィスト賞の人なのだろう。
メフィスト賞ってなんだ?というのが偽らざるところなのだが。
まあ、どっかの文学賞であるのはまちがいなかろう、なんか聞いた事あるような無いような・・・。
また、『東京バンドワゴンの云々』とも書いてある、それは読んだこと無いが聞いたことはあるね。
まあ、いずれにせよ流行作家であるのだろうなあ、面白ければなんでもいいやと、後ろ書きの札幌の百貨店云々という記述と青春ロードノベルというビタイチわかんねえカテゴライズに惹かれてお持ち帰りする事とした。
ご当地小説万歳である。

さて、読み始めるとこれがまた面白くてとまらねえんだな、実際。
こんなに面白いのは久しぶり、というくらい面白い。
わらっちゃうくらい面白い。もうべた褒めである。
文章自体はとっつきやすいが、当方としては慣れるまでちと読みづらかったところはある。
なにせ主人公の一人称視点、口語調の文章で物語は延々語られていく、むつかしいという事は無いがこういうのはあまり相手にしないのでいささか面食らう。
しかし、慣れさえすればあとはひたすら引き込まれる。
後ろ書きにあるとおり、家族の絆を描いている作品であるが、そのものズバリの直球ではなく、ミステリ仕立てにしているのが心憎い。
また、デパートの探偵という主人公のありよう、またその生い立ちや辿ってきた人生、妹との距離感など、非常にプロット組みが巧みな作家さんであると感心する。
このプロットだけで作品は七割がた成功しているようにも思う。
気が付けばもう夜半、結局飯も食わず風呂にも入らず、読みきってしまった当方である。

さて、家族の絆を描いた作品であると前述したが、それもあるがむしろ他人との絆を描く、という事こそがこの作品の本筋であろう。
主人公はいろいろ複雑怪奇なものを胸の内に秘めながら、それでもさまざまな良い人たちと絆を結び、それを深めていく。
どちらかといえばそう言った絆なるものに懐疑的であるにも関らず、である。
図らずも某登場人物が言った「坊ちゃんだな」との言葉どおり、まさしくいいところの坊ちゃんなのである。
であるから人も集まる、人に好かれる。
読んでいるときは面白すぎて気にならなかったが、まあある意味この主人公は非常にチートくさい。
どこぞのエロゲの主人公のように完璧超人。
故にかな、この物語を示唆に富んだ、心に迫る良書、とは思いたくない思えない。.
辛く言えば、こんなんチート主人公の主人公ぢからによって、周りの人間が誑されているだけのいわば非常にご都合的な童話のようなもの、である。
どのように読もうが本人の自由であろうが、何にも考えずに読んで一本の物語としてみたとき、このお話は非常に面白くいいお話である。
設定からして、それ以上を期待してはいけないのである。
読後、ああよかったね面白かったね、それだけで満足するのが正しい本書の用法だ。
それさえ守れれば非常なる名作の称号を与えても良いかもね。

この作品を読んで、大体『東京バンドワゴン』とやらの中身もある程度見えたような気さえする。
間違っていて欲しいがな。
まあ、後日気が向いたら読んでみる事としようかな?
損は無いであろう。場合に拠ってはこの作品ほど楽しめない気もするが、な。

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