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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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過日、某知人より、ダンボール箱一箱分のブツが、当家に届く。
なんと。
たまねぎ がはいっていた。
箱いっぱいのたまねぎを手に入れた。

さてさて、その知人がどういった経緯でたまねぎなど送ってきたかは与り知らぬが、野郎の独り者の当家に、そんなにたまねぎばっかり送ってこられても、というのが偽らざる心境である。
基本、料理などしない人間だ。
一応、花婿修行のためにと、一通りの調理器具は存在してはいる、が、ほとんど使わないまま引き戸の奥深く、埃かぶって化石となっているのが現状である。
いかん、いかんぞ。
このままでは立派な逆玉に乗れぬではないか。
とかいう戯言はおくとして。
たまねぎを使った料理、など言うものは考えた事も無い。
消費方法がわからぬのでは、いかで立派なたまねぎ殿とはいえ、道端の石くれにも等しいというものだ。
どうすんべか?と考えるまでも無く、一時保留という事に。
都合の悪い事は先送り、明日できることは今日するな、それが立派なイタリア人というものである。
台所の戸棚にそのまま収納。
そして、たまねぎの存在は、忘却の彼方へと流れていったのであった。

そして一月の時間が経ったとある休日の午後。
ふと、そんな哀れなたまねぎのことを思い出した。
とはいえ、たまねぎさん、保存も利く優れもの。
それに季節は冬である。
まさかなにやら良くわからんムシさんまみれになって腐臭を放っているという事もございますまい。
恐る恐る戸棚を空けてみると・・・。
たまねぎさん、少しばかりバージョンアップしていらしった。
なにやらにょろにょろ伸びているのである。
たまねぎの芽、であろう。
なかなか、ステキ生命力である。

とはいえ、感心ばかりもして居られぬ。
なんとかして、この芽の出たたまねぎ、消費せねばならぬ。
そのように思い立ち、ざっとたまねぎを使った料理を必死に脳内検索してみた。
結果、四件ヒット。
①野菜炒め
そのまんまである。
当然、てけとうにぶった切ってフライパンにレッツゴーで出来上がり、なんとも漢らしいシンプルさである。
とはいえ、野菜炒めというからには、それなりの相方も必要だ。
具体的には、にんじん、ピーマン、もやし、キャベツ、そして何より肉が必要である。
肉は近所のコンビニあたりでベーコンかハムでも調達するとして、相方の野菜たちはどうしようか?
ご近所の八百屋は日曜定休、行きつけのコンビニでは野菜など扱ってはいない。
とはいえ、この吹雪の中、スーパーまで足をのばすのも億劫である。

・・・・・・いやいや、ということは、だ。
畢竟②カレー③肉豆腐も不可能ではないか。
いや、まあ、何とかならん事も無い、が。
②カレー
たまねぎ炒めてコンソメ入れて水入れてそのまま市販のルー投入という荒業はどうか?
いやいやいや、どう考えても痛すぎる。
絶対不味いよね、それなら使わずにたまねぎのまんま捨てたほうがまだしもエコだよね?
③肉豆腐
これならば何とかなりそうだ。
近所のコンビニではたしか豆腐としらたきはあったはず。
問題は、肉、だなあ。
肉豆腐を、ハムで。
肉豆腐を、ベーコンで。
いやいやいや、絶対不味いからこれも。
なんだかヤバげなにおいがプンプンしますよね、実際。
でも、仕上げに彼の伝説の万能調味料、メンミでもぶち込めば、それらしい味になる・・・か?
いや、なるのかなあ。
ところで肉豆腐って、どうやって作るの?
アレ???

さて、このように悪戦苦闘の脳内シミュレーションの後、結局①、②、③、は廃案と相成った。
そして残るは第④案。
その名も オニオンサラダ である。
そのあたりの定食屋なんぞで良く見かけるつけあわせのアレである。
うほっ、これならたまねぎさえあれば万事OK。
あとは埃かぶったまな板と包丁を磨けばすぐにでも取り掛かれるといった塩梅だ、実に簡便である。
と、そこで、その日の夜の食事風景が目に浮かぶ。
ちゃぶ台の上、丼飯と、山盛りのオニオンサラダ。
すげーな、オイ。
オニオンサラダだけで丼飯食らうのは或いは人類史上初めての壮挙ではなかろうか?
というか、いやすぎる。
しかも、たまねぎの芽まで入ったオニオンサラダである。
痛々しいったありゃしない、何の罰ゲームだ、それ。
そういえば、先日、面白南極料理人という西村淳という人の著作を読んだのだが、その中に
「たまねぎをごく薄くスライスして、市販の味噌とあわせれば、たまねぎの辛味の利いた良い肴になる」
という記述があったのを思い出した。
ん、おいしそうではあるが。
酒のつまみには良さそうだが、其れだけで丼飯食らうとなるといかがなものか?
とりあえずはそのあたりは保留としておこう。
たまねぎはまだ山ほど在るし、次の機会ということで。

で、結局は思考の袋小路というものに突入。
なんにせよ、材料がそろわないのがいただけない。
ということは、だ。
帰納法で考えればよいのである。
つまり、何を作るか、ではなく、コンビニにある材料で、何ができるか、を考えればよいのだ。
おお、なんかスゲー、自分、主婦みたいじゃね?
これならば逆玉もそう遠い日ではなかろう。
待ってろよ、未来の金持ちおぜうさん。
自分がすんごいのを喰らわせてやるぜ!
というわけで。
この日の夕飯は漢丼(改)たまねぎバージョンと相成ったわけである。
もう、全然主婦っぽくないよね。

漢丼、というものが、ある。
それは実にシンプル、且つ豪快、その上漢心をくすぐってやまない、あるいは米食文化圏の人間ならばだれしもが一度は通る
”道”、DNAにまで刻み込まれたいわゆるひとつの魂の一杯である。
丼飯に調味料というのが基本である。
丼飯にメイヨネーズ。
丼飯にウスターソース。
丼飯に塩。
丼飯に醤油。
変わったところでは丼飯に一味唐辛子、豆板醤、ニョクマム等々、調味料の組み合わせ次第では無限の宇宙を感じられるまさに食の暴君、タイラントである。
広い意味では花かつおをぶっ掛けて醤油をたらしたものや、あるいは卵かけご飯などもこの漢丼にカテゴライズされるであろう。

今回、当方がお隣のコンビニから買ってきたのは次のとおり。
・サラダ油(健康エコナ)
・卵四個入りパック
・ベーコン一パック
のみである。
まず、あらかじめ米をとぎ、我が家で唯一稼動している炊飯土鍋に入れてうるかしておく。
そしてしばらく放置。
良いころあいとなったらガスコンロで一気に炊き上げる。
やはり、炊飯器ではどうにも米が不味い。
ここだけは譲れぬこだわりである。
炊き上がったら十分ほど放置、その後蓋をおもむろに開け、ざっくりとしゃもじで切ってやる。
そしてさらに三十分ほど蒸らしてめしは出来上がりである。
出来上がりは上々だ。

蒸らしている最中、漢丼の具材づくりに取り掛かる。
まず、本日の主役、芽の出たたまねぎさん×2である。
ざっくりと皮をむき、頭と尻尾を落とす。
芽の部分は、なんかもったいないから刻んでおく事とする。
頭と尻尾を落とされたたまねぎ、こいつを半分に切り、親の仇のようにざくざく繊維に縦方向に切ってゆく。
二つ分のたまねぎを切り終えたらおもむろにフライパンを火にかけ、ある程度熱したら買ってきた健康エコナをごく軽く引く。
その後、ざっくり切ったベーコンとたまねぎの芽とをフライパンに投入、カリカリに炒めたらそこでたまねぎを投入である。
たまねぎがしんなりして、狐色になったらごく軽く塩を振って調理終了、火を落とす。
具材を皿に移したらさっさとフライパンやまな板、包丁など調理器具を洗ってしまうのが良い。
作ってすぐに洗う事によって、男はいつでも闘える状態になるのである。

で、先ほど炊いためしを丼に六分目くらいに盛り付け。
その上にざっと具材を流し込み。
具材の上に箸で軽くくぼみをつけて、卵を一つ、割り落とす。
あとはお好みで醤油をちょっとたらして完成である。
漢丼というにはいささか凝り過ぎたきらいもある。
が、調理は実に簡便、ざっと十分ほどであろうか?

さて、お味のほうは、と。
焦げたたまねぎの香りが実に食欲をそそる。
アツアツのたまねぎはよく甘味が出ており、その中でもカリカリに焼いたベーコンの食感と塩味が良いアクセントとなっている。
卵の黄身を破ってざっくりと混ぜると、黄身がたまねぎをトロリと覆ってえもいわれぬふくよかな味わい。
軽くたらした醤油の香りもよく、かき込む箸がとまらぬ勢い。
気が付くと、丼一杯軽く平らげていて当方もびっくりであった。
うむ、これならば、どこに婿に出しても恥ずかしくあるまい。
即興にしては、十分満足の行く出来栄えである。
世の独りモン諸氏にも、是非お試し頂きたい。

さて、残る問題は、と。
まだまだ丸々一箱、たまねぎが残っているという事と。
部屋の中がたまねぎ臭くなってしまった事である。
・・・たまねぎって、案外におうんだなあ。
そんなことを学習した、一日であった。
さて、どうしよう、このたまねぎ・・・。
 

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