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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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美味いパンが食いたい。
そんな風に、足繁く食べ歩いていたのはいつだったか。
もう、随分と以前の話である。
コンビニのパンは、どうにもスカスカしていけない。
食べた気にならぬのである。
もっとこう、ガツンと、魂に訴えかけるような、そんなハードタイプの食い応えの有るパンが、必要だったのである。
自分的に。

ごく近所にもパン屋さん、あるにはあるが。
それでもやはり何かが違う。
いかにも町のパン屋さん、という感じで、結構お世話になってはいるのだが、それでも人は時として、もっとこう、フランスフランスしたガツンとくる奴を食いたくなるのである。
バゲット一本をそのまま丸かじりしながら、コーヒー牛乳で流し込みたい、そんな衝動である。
そうして見つけた一軒のパン屋さん。
固有名詞は伏せさせていただくが、植物園の近くにある、こじんまりとした佇まいの店である。
デパ地下などでは味わえなかった、確かなガツンが其処にあった。

あっという間に信者一人、出来上がりである。
とはいえ、地理的な条件もあり、毎日というわけにはいかない。
たまに、上記のようなどうしようもない魂の熱き迸りにさいなまれたときは、渇きを癒しに出向くのである。
せいぜい、月に1~2度程度であろう。
あと、たまさか通りかかる際は、大概、吸い寄せられるように入ってしまう。
罪な奴、である。

そんな男の隠れ家のような店へ。
つい先日も、パンを買いに出向いたのである。
───が。
びっくりした。
遠目でもわかる異変。
あの、小さなパン屋の入り口から、人がハミ出ている。
近づいてみると、どうやら入りきれないようだ。
「???」
数年間、この店に通っているが、ついぞ見ない光景である。
その日の札幌は、時ならぬ嵐であった。
風が強く、コンビニで購入したビニ傘が、たった一区画進んだだけで使い物にならなくなってしまったほどである。
そんなヨレヨレの傘を引っかぶりながら──まさしくこの表現がぴったりであろう道行きである──やっとここまでたどり着いたというのに。
さらに五分、店の前で立ち往生。
吹く風は猛り、雨足は強まるばかり。
それでも客の奔流はとまらず、次々とやってくる。
対して、店内の広さは畳六畳分程度であろうか?
あっという間にいっぱいとなり、身動きが取れなくなる。
流れ作業の様に目の前にあるパンをトングで掴み取り、とても吟味の時間などありはしない状況である。
いったいこの店に、何があったのだろうか?

後日、同僚より聞いた話。
「あー、はいはい。○○○○ですよね。あそこおいしいですよねー。え?客が店から飛び出てた?あー、確か、なんかのムックだかで結構大きく取り上げられたらしいですよ?それでもそんなに客はいるもんなんですねえ、たいしたもんだ、ハー・・・」
・・・・・・・・。
・・・・・。
・・・。

なんだろうね、この敗北感は。
いや、みなさんね?喜ばしいことなんですよ?あそこのよさをわかって頂けたらね?
商売的にも万々歳ですよね。
うむ、いいことのはずだ。
でも・・・。
でも、なんだろう、この秘密基地を中学生に土足で踏み荒らされたようなやるせなさは・・・。
かつて、何かで読んだ事があったなあ。
食い物系ライターは、本当に自分の気に入った店のことは決して書かないものだ、と。
いまならば、その気持ちが理解できるような気がする。
今度行くときは、もうすこし落ち着いているといいなあ・・・。
 

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