忍者ブログ
2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
[448] [447] [446] [445] [444] [443] [442] [441] [440] [439] [438]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

・辻褄(つじつま)

 

前回ontai辞書1の撞着の段において「おやっ」とおもった言葉がこれである。
果たして”辻褄”ってナンジャラホイ。
ナンジャラホイ?
結構平気で使っているけど、辻褄の意味あるいは正体を知らない人は結構いるはず、いると信じたい、当方だけじゃないはずだ!
さっそく調べてみよう、レッツ広辞苑。

曰く。

(「辻」は道があい、「褄」は左右あうものであるからいう。また、辻も褄も裁縫用語という)あうべきことわり。始めと終わりと。すじみち。

とある。
んん?( )内がよくわからん。
つまり辻とは十字路のことであり、道と道が出会うところであるという事、褄はこれも広辞苑よりだが、長衣の裾の左右両端の部分とある。
つまり、辻と褄、どちらもが道と左右の裾が”合わさる”という意味合いで”あうべきことわり”という事となったのであろう。
すじみち、はなんとなくだがわかるような気がする。
つまりあうべきことわりということは道理であり物事の筋道であるという事なのだろう。
辻という文字だけでも道筋という意味があるからなあ。
ただ、始めと終わりと、というのだけは正直よくわからん。
そういうものだと思っておくのがいいのかな。
そうしよう。

 

・鹵簿(ろぼ)

 

ロボである。
ロボットではない。
まあ、ごく稀にではあるが目にする言葉であるな。
今回は講談社学術文庫『秦漢帝国 中国古代帝国の興亡』というご本を眺めていて現れ出でた訳であるが。
なかなか、一発で変換できない、というかそもそも変換候補にすら出てこない言葉であるので、単漢字変換なんかを使わねばならず、少なからずイライラさせられる言葉である。
しかも、単漢字でも鹵の字は出てこないので、部首変換である。
これは大変だ。
さて、用語登録もしたことだし、早速鹵簿の意味を探ってみようか、鹵簿鹵簿(←用語登録で楽になったのでうれしいらしい)。
広辞苑さーん。

曰く。

儀杖を備えた行幸、行啓の行列。公式、略式の別がある。

とある。
ハテ?
とりあえず原文を抜き出してみると

「むしろ死せる墓中の始皇帝の霊魂がこの銅馬車を含む鹵簿に乗車して、毎日陵園内にある廟寝に食事に赴くためのものだったのではあるまいか」

という使われ方である。
どうやらここでは鹵簿という言葉を”馬を含めた馬車”という意味で使われているように見えるな。
そんな使い方は、どこひっくり返しても無さそうだが・・・。
鹵簿という言葉を使いたかっただけか?
まあ、これで一つ賢くなったような気もするし、いいか。
・・・用語登録しても、あんまり使い道無さそうだがなー。
これを書いた先生の気持ちが、少しだけわかったとか云々。

 

・賛仰(さんぎょう)

 

先日もどこかで言ったと思うが、有栖川有栖の『女王国の城』からである。
いいね、一杯わかんない言葉があって。
喜んでいいのだろうかという一抹の不安はあるものの、ネタが尽きない事はいい事であると思い込む事としようか。
それにしても、見ない言葉である。
早速下調べとして広辞苑の出番だ。
・・・と、おやおや、そんな言葉は無いというのが当家の広辞苑氏の回答である。
しかし、どうやら似たような言葉はあるようだ。
とりあえずそちらを抜き出して考えてみようか。

曰く。

さんぎょう【鑽仰】(サンゴウとも)論語子罕「之仰弥高、之鑽弥堅」より、徳を仰ぎ尊ぶこと、褒め称えてあおぐこと、間違って讃仰とも。

とある。
はーはー、論語からの言葉かい。
古い言葉なのだなあ、実際。
さて、そこで有栖川氏の原文を引いてみると

「一歩ごとに大きくなっていく <城>。それは、協会の教えを真顔で聞けない僕にとっても、やはり魅力的だった。もちろん、そんなものはスタイリッシュな建築に対する賛仰でしかないのだが、信心していればひたすらありがたいのだろう」

と、こんなところか。
なんだか、この企画に罪悪感を抱き始めた当方である。
別段作家さんのアラ探ししたいわけじゃないんだけどなあ。
二つ続いちゃうと、どうしてもね。

まず、例の”賛仰”をネットで調べてみると、yahoo辞書やgoo辞書でいっぱいヒットした。
広辞苑でもあるとおり、間違って讃仰と書かれた言葉が更に丸められて賛仰と書かれるようになったのだろう。
鑽仰、讃仰、賛仰ともにひとくくりで紹介されていることからそれがわかる。
まあ、確かに鑽の字は書くのも読むのも大変だよな、これは仕方が無いし、言葉とはまたそういうものでもある。
ただ、意味としてはいただけない。
「スタイリッシュな建築に対する賛仰”でしかない”」となっているが、言葉の原義としては、鑽仰はある意味最高ランクの何かを称え敬うという言葉であると言える。
まあ、文字だけ見れば確かに(物理的に)仰いで賛える、というふうに取れなくも無い、が。
こうしたちょっとした勘違いから、言葉の意味と言う奴が後世においてまるまる摩り替わってしまうのだろうなあ、なんて感慨を抱いてしまったりした今回である。
気をつけたいものだ。

 

とまあ、今回はこの三語である。
少しだけ賢くなった気がせぬでもないな。
こうして地べたを這う虫けらが如きに、じりじり進歩していくのもまた楽しい事だ。
それでは、次のontai辞書で。
 

PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


トラックバック
この記事にトラックバックする:


忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[12/17 TathoathSog]
[12/17 AlgossysoolvE]
[08/18 革命]
[08/13 NONAME]
[06/04 NONAME]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
ontai
性別:
男性
趣味:
読書 睡眠 ゲーム
バーコード
ブログ内検索
カウンター
お天気情報