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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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鐘がなるなり法隆寺、である。
言わずと知れた正岡子規の代表作、まあ、今も昔も「この程度の句が代表作・・・」という向きは存在するのであるが、いわばコロンブスの卵的なものであろう。
子規の掲げた「写生」という言葉どおり、見事にその景色がまぶたに浮かぶ、実に味のあ
る一句である。
過日、近所の八百屋さんから柿を買ってきた。
もうそんな季節である。
六つ入って300円、安いかどうかは別として、大変おいしゅうございました。
中に一つ二つ、まだ堅い柿が入っていて口の中に刺さって血まみれになった、などというのは些細な事である。

当方が初めて海を渡り、内地(本州のことである)に行ったのがあれはたしか小学校の四年生のときだったと記憶している。
親族の結婚式というイベントのご相伴という形で、売られる仔牛のように引きずられて旅立ったわけであるが、まあ、飛行機で耳が痛くて「し、死ぬんじゃなかろうか・・・」などと思いつめたり、降りた途端にあまりの蒸し暑さにいきなり帰りたくなったり、TDLですかさず迷子になったりといろいろあったが今となってはいい思い出である。

さて、その当時、当方やその母親そして当方の祖母などが投宿したのが、埼玉県の、あろうことか結婚式を挙げる当人達のマンションであった。
今にして思えば、なんとまあ野暮で無粋な事を、などと思い頭を抱え慙愧に苛まれるわけであるが、まあ、こどもというのは無邪気なもの、そのような事ども全く考え及ばず、海の向こうの見慣れぬ文物に心を躍らせていたわけである。
まあ、確かに子供心に凄い経験ではあった。
なにせ、そのマンションのお向かい、立派な竹林だったのである。
北海道には、竹林などというものは存在しない。
あるとしても、ごく規模の小さい私有地のなかのもので、当たり前に竹の自生している様など、初めて見る風景である。
これはすごいぜ?などと竹を見上げて感動し、なでたりさすったりする小学生、実にシュールな光景ではある。
そして、その本州渡航でもっともカルチャーショックであったのが、のっぱらみたところに大人の背丈くらいの潅木がたくさん生えていて、その全てに鈴なりの青い柿が生っている風景である。

果たしてあれはどのあたりであったろうか?
車に乗せられてどこぞに向かう途中であったのだが、その途中、なんらかのことがあって車から降りたときの光景であったと記憶している。
あまりに柿のインパクトが強すぎて、随分と記憶がボンヤリとしているようである。
生まれて初めて見たその景色に、随分と舞い上がってしまった。
もともと生り物に強い興味を持ったこどもであった。
まあ、食い意地が張っていたということかも知れぬが、スーパーなんかで売っている柿が、この様にごろごろと、当たり前に存在するのが、うれしくて不思議で、仕方がなかったのである。
秋になってここにくれば、腹いっぱい柿が食えるなあ。
そんな風に考え、ボンヤリと鈴なりに生った柿で、赤くいろづいた原っぱの風景を思ったものである。

買ってきた柿を食いながら、そのような昔の事を思い出した。
さて、あの青い柿たちも、今の季節色づいでいるのだろうか?
もう一度あの光景を見てみたいような気もする。
 

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