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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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世上では三連休の最終日、いかがお過ごしであったろうか?
ここ札幌としては珍しく、随分と蒸し暑い日となってしまった一日であった、もうね、外に出ると途端にカビが生えそうなほどである。
当方はといえば、最終日の今日だけが無事お休みが取れた次第、まあ、馬券も予想的には外したが、買いにいけなかったのが不幸中の幸いか、いくらか得した気分ではある。
それでは、先日予定通り鑑賞した必死剣の鑑賞記である。


あらすじ

妻に先立たれたやもめ男、兼見三左エ門が、海坂藩藩主、右京大夫の愛妾連子を城中で刺殺した。
果たして、その理由は自身によって語られる事は無いが、斬罪を望む三左エ門に対し、藩は半知召し上げの上、一年間の蟄居閉門を命じる。
異例の沙汰はまだ続く、一年の蟄居後、三左エ門はなぜか元の組頭から異例の出世を遂げ、近習頭取に抜擢される。
一体何故こうなったのか?
様々な思惑に翻弄され、死ぬべきときに死ぬ事ができなかった男は、その後、どのような最後を遂げることとなるのだろう。


当方の感想としては、なかなか面白かったといっていい作品である。
ラストのアレはもう凄まじいの一言、あの瞬間だけで「この映画を見てよかった」となってしまった。
まあ、恐らくは賛否両論あるだろうが、まさに圧巻である。
話の運びも無理が無く、映像的にはやや非凡さに欠けるが、それでもお話はしっかりと練りこまれており、退屈せずに終いまで見ることができた。
好みということもあるだろうが、ここ最近見た映画の中では、楽しめたほうだろう。
お話の底に流れるものは、所謂初期の藤沢周平作品的な無常観や、あるいは理不尽さというものが基となっている。
そのあたりの原作にある空気感というものは、この映画ではよく表現されていると感じた。
ただ、その意味では池脇千鶴演じる里尾役が、やや軽すぎた嫌いがあったような気もする、まあ、これは演技云々の問題ではなく、純粋な脚本の好みの問題かもしれない。


演技的には、脇はとてもしっかり固められている。
当方が一番好きだったのが、これは敵役であるだろう連子役の関めぐみである。
いい女優さんだなあ、と。
挙措の美しさと堅さ、そして徹底的かつ機械的な冷たさを感じさせる表情など、連子という役の人柄をしっかりとつかんで表現している。
まさか、この頃の女優さんにここまで感心させられるとは、少しばかり驚いている当方である。
そして、これもまた敵役になるのだが、藩主右京大夫役の村上淳、この人もまた良かったなあ。
あのどこか神経質そうで執念深そうで、それでいて小者的な悪役振り、あれもまた見事に演じられていて見ていてゾクゾクした。
若い役者さんが随分と育ってきているのだなあ、と、感心しきりである。
そしてなにより圧倒的な岸辺一徳。
もう、凄い存在感だよね?
上手い下手通り越しているよなあ、実際。
スクリーンに出てくるだけでため息がもれてしまうのである。
ある意味卑怯であるといえるだろう。
まあ、このように並べると、どうしても悪役好きであることがばれてしまうのだが、致し方あるまい。

逆に、主人公のトヨエツは、一本調子に見えてやるせないところ。
役どころ的に致し方ないのだろうが、もう少し変化があっても面白かったかも知れない。
小日向文世は最近良く見るが、まあ、毒にも薬にもならん役どころである、この映画に関しては安定感だけといったところか。
そして、非常に残念なのがやはりと言うか何と言うか、敵役ともいえずなんとも微妙な役どころを演じた吉川晃司だろうなあ。
いやあ、軽い、なんというか、軽いのである。
ただでさえ難しい中ボス的な役どころ、その上これだけ上手い人に囲まれて、ちょっとばかりかわいそうな感じもしないでもないのだが・・・。
基本、うまくねえしなあ、この人。
まあ、ねえ。
こいつがボスか!と思ったら直後にラスボスが出てくる展開、完全に喰われちゃったといった印象である。
頑張れ、生きてりゃきっといいことあるさ・・・。


このように、当方的には結構満足できた映画である。
ただ、前述したとおり。好みはわかれそう、結構地雷と思ってる人も多そうだ。
ということは、あまりお勧めしづらい映画であるのだが・・・。
まあ、時間があって気が向いたら、見てみるのも良いかもしれないという一本である。
 

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