最近、北海道と青森の間がなにかと険悪である。
新幹線延伸における青森側負担の拒否であったりとか、マグロ漁法の相違の問題であるとか。
ここに来てズルズルになっている様子である。
新幹線に関しては、どうやら青森における県政与党の自民党および議会の決定であるらしい。
曰く、この厳しい財政状況のなかで、北海道への延伸の青森側の負担は負いきれない、どうしてもというなら地元在来線の経営健全化の支援(つまりは赤字分を国が出せということか?)を国がして欲しいというものである。
どちらに転んでも自分が得をする、なかなかにクレバーないいざまであるといえる。
どうやら、長年青森県自民党のおもしとなっていた津島雄二の引退、大島理森もあわや陥落の憂き目となり、その上国政自民党の没落を受け、途端に頭が軽くなったうえでの行動であると言えようか。
ヤケクソ気味とも、とれなくもない。
実際、青森としては終点効果を失いたくないという背景も透けて見え、なかなか、どっちを向いても世知辛い、景気のよくない話ばかりでは、ある。
まあ、当方としては新幹線なんてなくていいんじゃね?程度の立場であるから、どうでもいいっちゃどうでもいい話。
実際、「新幹線さえくれば北海道は劇的によくなります」という新幹線待望論者のいいざまこそ胡散臭いと感じているわけである。
できるはずのことをしないで上の持ってくるハコモノを口をあけて待っているだけの無能が、新幹線を生かしきれるとは到底思えないというのが当方の胸に去来する絶望である。
JRの市営地下鉄乗り入れ問題一つ取って見ても、あまりの馬鹿丸出しぶりにそりゃ絶望の一つもしたくなるっちゅうねん。
結局はるみちゃんもろくろくリーダーシップを発揮するまでもなく羽根をもがれてしまい、次の知事選すら危うい状況だ。
青森の度胸とクレバーさを見習ってもらいたいほどのものである。
もう一つのマグロ問題について。
これは案外わかりやすい。
大間のマグロは全国的に有名だが、津軽海峡の青森側ではマグロ漁は釣り一本であるのに対し、北海道側ははえ縄漁であるということが問題になっているそうである。
青森側の漁連が、はえ縄での漁を一切禁じる通告を出した事が問題の中心である。
まあ、確かに青森からすりゃこれほど面白くねえ事もないわな?
世界的な趨勢として、マグロ資源の保護が叫ばれる昨今、津軽海峡は排他的経済水域内における貴重な漁場である。
主張としては資源の保護をうたっているが、それだけじゃなかろうね?
頑張って一本一本釣っている青森から見れば、はえ縄で一挙にさらっていく北海道の船を見るたび、ジェラシーで胸が張り裂けそうになるというのが本音だろう。
まあ、あれだな。
当方は渓流をすこしばかりやるからわかるのだが、フライフィッシャーやルアーフィッシャーとえさ釣り人は破滅的なまでに仲が悪いのと一緒である。
理由は、圧倒的にえさ釣りのほうが釣れるから。
同じ釣り場にいると、一触即発の空気すら漂うからなあ。
向こうは上から下までゾロリとした格好で、ン十万円もしそうな重装備なのに対し、こちらは手軽なその辺に転がってる竹ざおやあるいは廃車になった車のアンテナに紐結んで針つけただけの装備で十倍の釣果があるとくれば、そりゃ腹も立とうというものである。
その上で、このマグロ漁問題に関しては、両側の漁師さんの生存権もかかる問題である。
こちらのほうが、はるかに根が深い問題でありそうだ。
このように、あちらこちらに火種を抱える津軽海峡を挟んだ両者である。
こんな問題が持ち上がるまで、当方の青森という土地に対する印象は、牧歌的な土地柄であり、りんごが有名だよね、程度のものであった。
舐めていた、と言われても致し方ない。
スンマセン。
いささか、青森と言う土地の底力を見せ付けられた、そんな印象である。
まあ、いずれ、上手い落としどころを見つけてほしいものだ。
そのように願う、この頃である。
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