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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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ここ2,3日は、随分と暖かい。
数日前まで雪が降っていたとは思えぬ暖気である。
おそまきながら、ようやく札幌にも春が巡ってきた様子だ。
おかげで一日中、眠くてかなわん。
なかなか体のエンジンがかからないこのけだるさも、春独特であるような気がする。

さて、今日は前の日曜日、レイトで見てきた藤沢周平原作
『花のあと』
の鑑賞記である。
山田洋次監督の藤沢映画も、正直あまり好きになれぬ当方ではあるが、まあ、一通り通して見つづけてはいるので、コレクター気質での鑑賞であるといえる。
今回は監督もちがうので、それなりに楽しめるのではなかろうかとwktkしながら見てきたのがごらんの有様。
結果だけ見れば、非常に残念な映画であった。
とりあえず、映画の筋はこんな感じ。

藤沢映画でおなじみ海坂藩が今回も舞台。
組頭格の上士、寺井甚左衛門の娘以登は、男勝りの剣士である。
とあるきっかけにより、城下の剣術道場の高弟、江口孫四郎と竹刀試合で立ち会うこととなるが、己を女ではなく一人の剣士として立ち会ってくれた孫四郎に、淡い恋心を抱くようになる。
しかし、部屋住みの孫四郎に対し、以登は歴とした上士の一人娘、すでに許婚もおり、その上孫四郎の婿入りが決まってしまい、心に蓋をし諦めるより他宣無きことであった。
そうこうして過ごすうち、以登のもとに驚くべき知らせが入る。
藩の使者として江戸に使いしていた孫四郎が、使いにしくじり江戸表で腹を切って果てた、というものである。
薄汚いたくらみの匂いをかいだ以登は、孫四郎の仇を討つべく、黒幕との果し合いに挑む。

駄作───。
そんな言葉が良く似合う香ばしい作品である。
まあ、前述した通り、山田洋次監督が苦手といいつつも、その偉大さをこんな形で実感することとなってしまった。

導入部、主役以登役の北川景子を一目見て
「うわぁ・・・島田も着物も、にあわねえなあ」
思わずため息が出そうになる。
まあ、どうしてもね、スラリとしたスタイルのいい人ってえのは、和服は似合わないんだよなあ。
どちらかといえばずん胴で、胴長タンソクのほうが和服は似合うものである、なぜなら日本人のための服だから。
こればっかりはしょうがねえ、かな。
まあ、カメラ栄えしないことこの上ないが。
しかし、開始数分で、演技的にもまるで大根である事が確定。
台詞回しも「ボソボソ、ボソボソ」表情も能面のよう、まるっきり雰囲気というものが感じられない。
まあ、どうなんだろうね?あれはキャラ付けのための意図的なものなのかなあ、好意的に見て。
そこで前半の主演男優とも呼ぶべき江口孫四郎役、宮尾俊太郎の登場である。
・・・・・・!
最初の台詞でいきなり噛みやがったよ!こいつ。
うわああ、なにこのgdgdっぷり。
あたまおかしいんじゃねえのか、こいつら。
まあ、バレエダンサーならバレエだけやってろや、という感じ。
お願いだから時代物の映画になんぞ、間違っても出てくれるな。
なんだかここまでだけでおなか一杯である。
まるで学芸会の劇を見ているようだ。
金払って、な。

そしてぼちぼち、やたら豪華な脇が出始める。
先ずはお父さん役の國村隼、悪者役の市川亀治郎、お医者さん役の柄本明、許婚役の甲本雅裕、等等、すげえ豪華。
いずれもいい味出してます。
市川さん、すげえっす。
が、それでも駄作の印象はぬぐえない。
──なぜか?
なんかねえ、監督さん、どうなのかなあ。
映像が決定的に退屈なのである。
決まりきったカット、決まりきった構図、王道といえば聞こえはいいが、まるで絵コンテみているような印象しか受けないんだなあ。
序盤の殺陣、以登と孫四郎の打ち合いなんかはそこそこ動きがあってよいのだが(まあ、殺陣という映像特性上あたりまえであり、あくまでカメラワーク的に、ということ。内容的には唾棄すべきシロモノである)それ以外はもう「あーカッタる~」というやる気の無い弛緩した空気すら漂いだす始末。
映像、画面、一つ一つに、美しさや信念というものが全く感じられないのである。
至極退屈な画像集と成り果ててしまった印象だ。

まあ、正直ボロクソである。
が、クライマックスの殺陣だけは、なかなか良かった。
緊張感があり、北川嬢の大根っぷりを、画面の暗さと動きでごまかしただけ、という見方もないではないし、ここでもまた市川さんすげえっす補正効果が高かったのだが。
殺陣、撮りたい人なんだろうなあ、きっと・・・。
しかしまあ、これから監督業続けていくつもりなら、もう少しばかり日常の生活というシーンを勉強したほうがいいなあ、きっと。
いくら殺陣撮りたい撮りたい!な人とはいえ、その間の人間ドラマをいかに上手に切り取って輝かせるか、そこを大事にするかどうかが一流と二流以下の分水嶺なのでは、という気がするし。
いずれにせよ、まあ、この映画に関しては大失敗と言っていいだろう。

こんな感じで、仕事終って疲れた体を引きずって危うく噴きそうになりながら見てきたわけである。
まあ、たまには駄作もいいものだ。
こうして、ものの善し悪しへの目利き、己の価値観というものが磨かれていくのではなかろうか、と。
そんな風に、ひたすら自分を慰めたいこの頃である。

 

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