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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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今週はなんだか映画のお話ばかりになってしまったが、どうかご容赦頂きたい。
先週末はレイトで、表題の映画を鑑賞してきた。
まあ、なんというか、見ようと思った動機が、トラボルタのスキンヘッドがあまりに強烈だったから、というものである。
インパクトの勝利ですよね?
内容なんて、どうだって良かったんです、ハイ。

この映画のあらすじはこんな感じ。

パリのアメリカ大使館員であるリースにはもう一つの顔がある。
なんと彼は、CIAの諜報員なのだ、まだまだ下っ端だが。
全てにおいてスマートな男で、大使館員としても優秀で大使にも気に入られており、諜報員としての仕事も着実にこなし、しかも美しいキャロリンという恋人までいて、勝ち組人生まっしぐら、現在絶好調といった有様である。
そんなリース君の希望は一つ。
CIAの諜報員として、もっと重要で派手な仕事を任されたいということ。
現在の”仕事”には、今一つ手ごたえを感じていないリース君である。
そんな彼のもとに、CIAより連絡が届く。
曰く「パリに飛んだ凄腕諜報員チャーリー・ワックスが税関で足止めされている。今回君は彼と組んで仕事をしてもらおうと思っているが、とりあえず今すぐ彼を助け出してくれ」
とのこと。
いよいよ使いっぱしりも卒業かと息巻くリース君であったが、チャーリー・ワックスという男が彼の人生に途方もない大嵐を運んできた事、まだ知る由もないのであった・・・。

たまにはこういった映画もいいものだ。
それが今回の感想だ。
なーんにも考えんでいい映画、ただひたすらにスタイリッシュ(?)に撃ちまくり、あれよあれよという間に終了である。
こういった作品は久しぶりだったこともあり、これはこれで、結構楽しめましたよ?

ただひたすらにトラボルタの存在感。
チャーリー・ワックス役で、横紙破りな凄腕CIA諜報員(というか破壊工作員?)を演じている。
まあ、多くの人にとってこの映画の最大の見所であり、売りであるだろう。
それだけに主役(だよね?)のジョナサン・マイヤーズなんかも案外いい演技しているのだが、まんまと喰われちゃってる印象しかない。
なにせあのトラボルタが、スキンヘッドで大暴れだからなあ。
夢に出てきそうな、一種異様な迫力である。
そういう意味では、すこしばかり他の俳優さんたちにとってはかわいそうだったという側面はある。
どうしてもね、あのトラボルタと並んじゃうと。
立ち姿のスラリとした格好いいジョナサン・マイヤーズなのだが、あっさり吹っ飛ばされてしまった。
いい役者さんだとおもうし、じっくり見せる映画で良い役がつけば、相当に演れる人だと思うのだが、いかんせん今回はしょうがないか。
監督に恨み言の一つでも言ってやってくださいな。
あと、特筆すべきは、キャロリン役のカシア・スムトゥニアクという人が、とっても可愛かったです。
ポーランド人の元モデルさんらしいが、綺麗というよりは可愛い感じである、映画の筋的にもなかなか重要な役回りであり、まあ、演技としてはそれなりに、要求された仕事はこなしていたようである。

結論としては、肩の力を抜いて、楽しく見られる良い映画であった。
映画館にあって、見る映画に迷っておられるようなら、この映画を選んでみるのも選択肢のひとつではなかろうか?
アクションシーンの完成度も結構高く、案外当りだったというのが当方の印象である。
全編通してスピード感にあふれていて、気付けばタイトルロール、時間を忘れてしまった当方である。
まあ、たまにはこういうのもいいよねえ、本当に。

 

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春通り越して夏の様相を呈しているここ札幌である。
いや、あっついねえ、実際。
まだ五月なのに25℃とか、ありえねぇな!
夏に弱い、防御特性としては冷却に強く火炎に弱い当方である、夏場の猫さん顔負けで、だらけています。
そういえば何かの文献で読んだ事があるが、江戸庶民はどうやら暑さを極端に嫌ったらしい。
考えてみると、寒修行やら水垢離やら、寒い時期に無茶する風景はあるが、暑い時期に無茶するイベントの文献は見たことがない当方である。
イタリア人よろしく、暑い時期、暑い時間はシエスタとしゃれこむのが江戸の日常であったらしい。
いいなあ・・・当方もそんな生活してみてえ。

さて、表題”見たい映画リスト”である。
近頃随分と映画付いており、先週末も仕事終ってレイトで
『パリより愛を込めて』
を見てきた次第である。
まあ、なんというか、日曜の夜だけあって、全く人が入っていなかった。
当方と、カポー2組と、熟年夫婦1組と、家族連れ3人1組と、おっさん1人(まあ、当方もおっさんなのだが)とおばあちゃん1人と、女2人連れ1組の計12人である。
ま、混雑よりははるかにいいわな。
鑑賞記に関しては後日上げるとして、兎に角、見たい映画リストである。
これは、主に予告編なんかを見て、当方が激しく惹かれた映画リストであり、独断と偏見と横暴であることは間違いない。

2010/5/22

○ 春との旅
◎ 処刑人Ⅱ
○ ローラーガールズ・ダイアリー

2010/6/4

△ マイ・ブラザー

2010/6/11

△ アイアンマン2

2010/6/12

◎ アウトレイジ

2010/6/19

◎ ザ・ウォーカー

2010/6/26

○ イエロー・ハンカチーフ
△ ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション

※ ◎は絶対見る映画、○は見たい映画、△は余裕があれば
   
ざっとこんなところか。
他にも午前十時の映画祭作品や、先週封切りの『月に囚われた男』、そして上映日未定の『ザ・ロード』などがある。

処刑人Ⅱは、先日パリよりを見たばかりなのでいささかきついかなあ、と。
まあ、後回しにして月に囚われた男やローラーガールズなんかを見てこようかと思っている。
春との旅は、なあ・・・。
とりあえず、仲代達也の生存確認に意味合いが強いなあ。
これは先日見た『パリより~』にも言える事だが、とりあえず映画の内容なんかどうでもいいのだ、ジョン・トラボルタが見られればそれでいいのである。
同様に、仲代達也が見られればそれでいい、そんな風に思っている。

続いて△のマイブラザーとアイアンマン2。
さて、どうしたもんかな?
マイブラザーはジェイク・ギレンホール目当て、あのノボーとした風貌と演技が当方にはたまらなかったりする。
まあ、映画自体が趣味じゃないということもあり、映画祭の作品次第で考えようか、その週に見るものがなければ見てみたいと思う。
次のアイアンマン2だが、実は当方無印を見ていないのである。
予告編で「おっ、結構おもしろそうじゃん」といった印象を受けたので、とりあえずリストアップしてみた。
まあ、こちらも暇があればといったところである。

北野武監督主演の映画、アウトレイジは鉄板である。
数年、バイオレンスの芸風を封印していた北野監督だが、満を持しての復活だ。
北野作品の暴力には、Vシネなどと比べると過激さでは劣るかもしれないが、なんともいえないリアルさと、生々しさが存在する。
カメラワークのよさと、瞬間を切り取ることに長けた氏ならではであるといえるだろう。
『登場人物全員悪人』
のキャッチコピーがなんともそそる、期待の作品である。

デンゼル・ワシントンの最新作は『ザ・ウォーカー』である。
『ザ・ロード』と妙に被っているのがウケる。
上記2作品はいずれも黄昏を迎えた世界のお話、ウォーカーが西へ向かうのに対し、ロードはひたすら南へ向かうようだ。
ある意味ロードムービーのようなものか?
こういった終末モノを、最近良く見かけるようになってきた。
はやってんのかね?
いずれにせよ、楽しみである。

そしてロードムービーの本家といったらこちら。
幸せの黄色いハンカチをリメイクした作品
『イエロー・ハンカチーフ』
である。
本家の幸せの黄色いハンカチもリマスターされて公開となるそうなので、そちらとあわせて楽しみたい。
もう十回くらい見ているがな!

最後に『ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション』である。
まあ、見るまでもないかな、とも思うが。
無印はあまり楽しめなかった当方である、ただ、最近のヴァン・ダムといえば『その男、ジャンクロード・ヴァン・ダム』のような、自虐的な映画も作っている。
たまには金を落としてやるのもいいのではないかとも。
どうだろうね?

まあ、当面はこんなところであろうか?
映画祭のほうは『2001年宇宙の旅』『十二人の怒れる男』『激突!』『クレイマー・クレイマー』『ニューシネマ・パラダイス』などを予定している。
いずれも名作揃いで、非常に楽しみである。
映画は好きだけど、一日2本とか見るのつらいからなあ、最近。
果たして時間が取れるかどうか、仕事終ってレイトで見る元気があればこなせそうな気もするが・・・。
夏に向かってHP消耗の悪寒である。
 

さて、先週末は馬券を買いがてら、近くの映画館で表題作
『運命のボタン』
を鑑賞してきた。
キャメロン・ディアスがサスペンス初挑戦!などというまあ正直どーでもいい謳い文句で売り出した作品である。
上映前の映画宣伝で盛んに流れていたこと、そのストーリーに惹かれ、今回の鑑賞行となったわけだが。
・・・まあ、原作が”アレ”の時点で、覚悟しておくべきだったか。

そんな覚悟が足りなかった当方の認識していたあらすじは、こんな感じである。

ある日、アーサーとノーマ夫妻のもとに、正体不明の箱が届く。
何の箱なのか?夫婦は首を傾げるが、その日の夕刻、家にいたノーマのもとにスチュワードと名乗る老人があらわれる。
彼曰く、箱についているボタンを押すと、どこか遠く、あなたの知らない誰かが死ぬるという事。
それと引き換えに、ボタンを押すことによって、あなたは百万ドルを手にするという事。
困窮こそしていなかったものの、経済的にあまり余裕の無かった彼らは、ついにそのボタンを押してしまう。
夫婦は百万ドルを手にするが、その日から、夫妻の周囲で次々と異変が起き始める。

さて、こんなあらすじを見せられて、期待するなというほうが無理な相談である。
・・・ぶっちゃけて言えば、SFオチの作品だったorz。
まあ、詳細を言ってしまえばありえないほどのネタバレになりそうで、封切りから一週間経っていない映画にネタバレかますのも良心がとがめる。
ここはとりあえずSFオチであったということだけにとどめておこう。
そして、当方がその事実にいたくヘコまされたという事である。

ただ、映画冒頭の時点で、そんなSFオチの材料は提示される。
いきなり人を不安にさせる不穏な文字列が提示される。
「うわぁ・・・これは・・・」
この程度のことは、試写会情報などを検索すればすぐにわかることなのだが、それを怠った当方の怠慢なのだろうか?
実際、映宣ではSF展開については全く触れられていない。
パンフには
『原作・リチャード・マシスン』
『アイアムレジェンドの原作者として知られ』
『スティーブン・キングが最も影響を受けた作家』
『かつてTV番組「トワイライトゾーン」でも映像化され』
などという、どこかしら人を薄ら寒くさせる文字列が並んでいた。
すいません、読んでませんでした。

当方、SFがなかなかに苦手であった。
過去形である、近頃はそうでもなくなった。
あらかじめSFであることがわかっていれば、十分に楽しめるレベルまで到達している、人として。
ただ、思いもかけぬSF展開は、どうも、ね・・・。
なんていうのかな、サスペンスが面白いのは、それがあくまで「人の業」であるからであって、うちうじんやちょうのうりょくが絡んでしまうと途端にぶち壊しに感じてしまうのである。
まあ、いってみればだ。
極端な例となるが、密室殺人が起こったとしようか。
深刻な顔を広間に集められた容疑者連中、そこに颯爽と現れる名探偵と愉快な仲間たち!
名探偵、事件の襞を少しづつ解きほぐしていき、至った結論が
『犯人はどこでもドアを使って密室内に潜入、被害者を殺し、なにくわぬ顔でどこでもドアで逃げ去った』
・・・えっ?

まあ、映画としてはそこそこに楽しめはしたのである。
キャメロン・ディアスはぶっさいくだがそれなりに熱演しており、SF部分を除けば、ある意味究極の選択に翻弄される、とある家族の人間ドラマの活写として、つまらないということもないだろう。
ただ、どうしても当方の感じてしまった理不尽感は、最後まで消える事は無く・・・。
あらかじめそう云うもんだとわかっていれば───いや、そも見に行かなかったかもわからんね?
これからこの映画を見に行くという方は、SFアリというところを織り込んで見に行っていただきたい。
そのように愚考します。

 

今週はモーニングで『オーケストラ』を見てきました。
しかしまあ、いささかなり驚いた。
ス●イにあんなに人が入っているのは、始めて見た当方である。
開幕週の、日曜モーニングだったからだろうか。
それにしても、百二十席全部埋まるとは、いささか人込みに酔った感のある映画鑑賞となってしまった。
もう少し時間や日付考えればよかったかな?

映画のあらすじはこんな感じ。
ロシアにおける前体制時、ボリショイ交響楽団を解雇されたアンドレは、二十数年を経て体制の変わった現在でも元の指揮者には戻れず、ボリショイ劇場の掃除夫として埋め草のような日々を過ごしていた。
そんなある日、支配人室を掃除していたアンドレは、偶然にもボリショイに宛てたパリのシャトレ座からの講演依頼ファックスを見てしまう。
そのファックスを見た瞬間、アンドレの暴走が始まる。
昔の仲間を集めて、自分たちがパリで演奏するのだ!
どう考えても正気の沙汰とは思えない、果たして、寄せ集めの楽団員たちは公演を成功させる事が出来るのだろうか?
そしてアンドレの運命は?

それなりに面白い映画ではあった。
フランス映画らしい、所々にちりばめられたエスプリの数々、灰汁が強く、しかしユーモラスで憎めない楽団員の面々。
なかなか楽しいコメディに仕上がっている。
しかし、演技としてはいささか素人臭さが鼻につく。
大声でわめくばかりの場面も多々見られ、手放しでは誉められない。
主演のアンドレ役、アレクセイ・グシュコブと言う人も当方は知らないが、決して上手いとはいえないだろう。
そういった全編にわたる素人臭さを、どたばたコメディの脚本が上手く助けている感は否めない。
勢いでごまかされている感じである。

そんな勢いに一役買っているのが、音楽。
というか、音楽こそがこの映画の主役なのだろう。
特に、この映画の主題でもあり、最後のオーケストラ部分に流れるチャイコのバイオリン協奏曲Op35は、これはド迫力で正直圧倒されっぱなしであった。
まあ、意地悪な見方をすれば、動きらしい動きも無く、ひたすらオケ部分と音楽が流れるが故に、あそこまで見られる映像になった、と言えなくもないのだが。
それを考えると、少しでも音響のいい映画館で見るのが吉と考える。
やはりス●イではいささかきついだろうか。
どうせ札幌でみるなら、SCFなんかがいいかもわからんね?
しかしまあ、このソリスト役の女性は、メラニー・ロランかな?
綺麗な人だねえ。
思わずため息が出ちゃいそうである。
素で嫁に来てほしくなったとか。
むさいジジイたちが全編通しておお暴れのこの映画において、一服の清涼剤であると言っても過言ではない。

まあ、映画の評価としてはこんな感じだろうか?
ただ、前述した通りいささか人に酔ってしまった感もあり、結構時間が詰まっていてモニター前の前列に座らされたり、おまけに隣りのお姉ちゃんが映画のクライマックスで泣き出したりなんかして、集中し辛い環境であったことも確かである。
というか、この映画のどこに泣くところがあったのか、教えて欲しいものである。
何にせよ、もう少し落ち着いて見てみたい気もするなあ。
今度はもっと、音響のいい映画館で。
機会があれば、もう少し時間が経ってから、もう一回見に行くかもわからんね?
そう悪い映画ではないので、チャイコのバイオリン協奏曲Op35や、或いはメラニー・ロランに興味津々な人は、一度映画館に行ってみるのもいいだろう。
 

日曜日はがっかりデー。
競馬はクビ差三着の酷い仕打ち、まあ、典型的なドツボパターンである。
祐一君、追い出し早すぎ。
おしい、おしいといいつづけて、結局当らないのが最悪である。
この連敗は深そうだなあ・・・なんて。
困ったもんだ。
熱くなった脳みそをクールダウンするために、蕎麦屋に入り盛り二枚を肴に冷やを引っ掛ける。
その後、喫茶店でコーヒーをすすりつつ、ポケットから取り出した真田騒動─恩田木工─を読みふけることしばし。
いい時間となったので、ス●イで表題の映画鑑賞としゃれ込んだ。

2008年のフランス映画。
主演はヴァンサン・ランドン、女優はダイアン・クルーガー。
ここ札幌では、ス●イの単館上映(かな?)であり、終了間近ということでこの週末こそはと思っていた作品である。
結果から言えば、大当たり。
スクリーンから張り詰めた緊張感が伝わってくるような、そんなステキ映画であった。
フランス映画なのに・・・とか甘く見てると痛い目にあうぜ?

ストーリーはごく単純。

フランスはパリ。
国語教師ジュリアン(ヴァンサン・ランドン)は、美しい妻リザ(ダイアン・クルーガー)と息子オスカルと共に、平凡ながらも幸せな生活を送っていた。
そんな幸せをぶち壊すかのような悪夢が襲い掛かる。
妻のリザが、殺人容疑で逮捕されてしまったのだ。
リザは冤罪を主張するが、結局は受け入れられず、懲役二十年の実刑で投獄されてしまう。
刑務所での毎日に次第次第に心をすり減らすリザ、ついには自殺未遂を引き起こしてしまうまでに。
限界を感じたジュリアンは、この悪夢から彼女を救い出すため、脱獄させる決心を固める・・・。

単純だからこその奥深い心理描写がある。
追い詰められる妻リザ、そんな妻の姿に追い詰められる夫ジュリアン。
絶望感を、役者の二人は実に見事に演じきっている。
そして臨界を迎えたとき、平凡だったはずの夫は牙を剥く。
そんな時妻はどうするのか?
夫を信じ、ついてゆくことが出来るのか。
幸せな(ちょっとエロい)お話の導入部から一転、妻の逮捕、投獄の不安と絶望の心理を描写する中盤、そして脱獄へ向けて一気に加速する中盤から終盤と、実に飽きさせることの無い、人間ドラマにしてスリリングでスピード感のあるサスペンスの良作である。

主演のヴァンサン・ランドン。
まあ、正直聞いた事ないわな、フランス映画なんて実際『エマニュエル婦人』くらいしか知らないし。
ごめん、実はエマニュエル婦人も名前くらいしか知らないんだ。
フランス本国では、コメディからシリアスまで、マルチな活躍をする結構な有名人であるという。
トム・ハンクスみたいなもんかな?
竹中直人みたいなもんかな?
実際のところ、スクリーンでの初見は「うっわ、冴えねえおっさんだなあ」という感じである。
ガード下あたりでクダ巻いてるよねえこういう人、ああいるいる、ってえ感じ。
それが、ストーリーが進むごとにだんだん格好良く見えてくるから実に不思議、演技派というのは伊達じゃない。
微妙な表情の演技も上手、上手く空気を出せる存在感がある。
まあ、べた褒めである。
妻役のダイアン・クルーガーは最近聞くようになった女優さん。
新しいところでは、ブラピの『イングロリアス・バスターズ』なんかで聞いた記憶がある。
いや、この映画が2008年だから、おそらくイングロリアス・バスターズはこれのあとだったのだろう。
美人さんではあるが、別段飛びぬけて、という感じはしない。
とはいえ、投獄されて磨り減っていく様をしっかりと演じている、あたり役だった.と言えるのではなかろうか。

大きな不満点は一つ。
映画の中盤後半あたりに、ジュリアンが人を殺して金を奪うシーンが存在する。
始めは銀行強盗をしようとして思いとどまり、次にとある登場人物を殺す事になるのだが、このあたりがどうにもいただけない。
演技自体は非常にいいものだし、カメラワークのスピード感、緊張感など文句のつけようがない良いシーンなのだが、ただ、なぜ殺すべき存在が”あれ”であったのか、という事。
結局は主人公の善良さ、そう言ったものにしがみつく姿勢というものを描写するため、話の筋として不可欠だと脚本が考えたのであろうが。
しかし、それであるが故に中途半端な主人公への同情心、のようなものを惹起させられ、あるいはそのように誘導しようとする背景が透けて見えるような気がして(実際にはそのような狙いが無かったとしても、だ)、不徹底で中途半端な印象が強くなってしまった感がある。
そこは徹底的に主人公を貶め、また、中途半端な良心や立ち位置などきっちり捨てているところをより強く描写すべきところだろう、と考えてしまったのである。
まあ、所詮は当方のタワゴトなのだろうが。
やや、残念な箇所であったと感じる。

総じて、いい映画である事は間違いない。
まあ、機会があったら見て頂きたい作品である。
なかなか、無さそうではあるが・・・。
兎に角、ハリウッド映画のように金をかけなくても、まだまだいいものは作れますよ?というお手本である。
稀にこういうのがあるから、映画はやめられないなあ。
しみじみ、そんな風に思う。

 



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