忍者ブログ
2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
[220] [219] [218] [217] [216] [215] [214] [213] [212] [211] [210]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今回が一連の”選挙公報に突っ込みをいれよう”シリーズ最終回である。
いや、辛い辛い。
こんな愚にもつかない企画に睡眠時間随分削っちゃったよ。
しかし、それも今日までである。
さて、最終回は民主党の候補だ。

民主党候補(68歳 ♂)

今回の一区の候補者としては、唯一公約を実現する力と状況がありそうな一人である。
一応、民主党のドンの内の一人だが、しかしまあ、やはりと言うか何と言うか、旧社会党系の政治家で正直それほど才走ったところも無いおやじなので、党内ではいささか影が薄い。
かつては社会党のプリンスなどと言われていた人間なのだが、いまではプリンスというより妖怪じみてるといったほうが正しいだろう。
猫も百年生きると猫股になるくらいである、政治屋もこれだけ続ければ妖怪じみてきてもおかしくはない。
知事時代から、北海道では人気のある政治家だが、知事を降りて国政に転出した途端中央では政変の嵐が吹き荒れ、北海道では知事時代の道政のひずみが一挙に噴出し、次の知事がもろにあおりを喰らった形となったりと、どうにも地味ながら波乱万丈である。
それでもなんとか漕ぎ渡って、ここまで生き残っているのだから、ある意味筋金入りの古だぬき。
広報に載ってる写真も、これっくらいの年季となればごく自然体で、面白くも何とも無い。
ただのヌボーとした親父である。
では、この人の主張を聞いていきましょうか。

────

生きがい、働きがいを実感できる社会へ──
だから、政権交代。
人を大切にする政策、しっかり進めます。

────

まあ、民主党のアナウンスである。
これだけでも、いかにつまんねえ事言ってるかがわかろうというものだ。
没個性ここに極まれり、である。
突込みどころもありゃしねえ。

────

生活を立て直す重点政策

①年金制度の不安を無くします。
「消えた年金」解決に全力で取り組み、月額七万円の最低保証年金、国民全員が受け取れる年金制度を実現します。

②安心の医療と介護を提供します。
後期高齢者医療制度は速やかに廃止。
医療、介護に従事する人の労働条件を改善し、高齢社会を支える体制を確立します。

③若者の雇用と収入を守ります。
中小企業、地域産業の振興で、雇用拡大と働く人の均等待遇を実現。
安心して結婚、子育てができる収入を確保します。

────

ごらんのありさまだよ。
言ってる事はいいことだらけだが、ほんとに出来んのか?
思わず、そういってしまいたくなる美辞麗句である。
それにこの文章から漂う旧社会党臭。
重福祉、というより超重福祉である。
さぞかし負担も超重負担となるのだろうなあ。
実際、民主のマニフェストをみると、予算の組替えで十七兆円ほどがたちまちのうちに目の前に現れるのだそうな。
十七億の間違いじゃね?
まあ、確かに壮大な夢のある話であるが、やっぱり胡散臭いと思ってるのは当方だけではあるまい。
年金に関しては、調査が終わり次第、一元化に変更ということなので、いずれ消費税上げ議論は避けられないという事だろうが、はたしてこれだけの事を全部こなすために、どれほどの財源が必要になるのか。
考えるだけでいやになるな。

────

安心して働き、暮らせる社会を実現。

●医療、介護、障害者福祉の充実で、誰もが住み慣れた地域で生活できる「地域福祉」を実現します。
●パートや派遣労働者の雇用環境の改善、また、医療や介護の現場で働く人の待遇を改善します。
●最低賃金を千円に段階的に引き上げます。
●育児休業給付金の増額、保育所の整備、拡充など子育てしながら働きつづけられる条件を整え、仕事と家庭、生活の両立支援を進めます。

────

改めて見るとすごいなあ。
大盤振る舞いである。

>>最低賃金を千円に段階的に引き上げます。

さすがに最低賃金千円はいいすぎじゃね?
それは無理という声が各界から排然と湧き上がっているとかいないとか。
当方も絶対無理だと思う。
ただ、この「段階的に」という部分にさすがに古だぬきならではの老獪さを感じる。
突っ込まれても逃げ道は用意してるぜ!
当面の努力目標である、と。
困ったもんだ。

────

経済、景気対策と地域振興のために。

●税金の使い方、国の予算の組み方を変えます。
●国の補助金制度を改め、事務事業の権限と財源を地方に移します。
●中小企業への融資の個人補償撤廃や連帯保証人制度に見直し、公的融資の充実(特別信用保証制度)で地域産業の振興を図ります。
●郵政事業の利便性と公共性を高めるために、株式売却の凍結や一体的サービスの提供など、抜本的な見直しを行います。
●暫定税率をゼロにし、高速道路を無料化します。

────

さてさて、全体的に言ってる事は所謂”大きな政府”論に聞こえるのだが、それでも尚地方分権を強調するあたり、いささか矛盾を感じてしまう。
郵政然り、福祉然り。
どう考えてもルートマップが煩雑にすぎる。
いよいよという段になって混乱が起きるのは、火を見るより明らかであろう。
そして暫定税率の問題である。

>>暫定税率をゼロにし、高速道路を無料化します。

どうにも暴走気味だ。
まず暫定税率撤廃ありきになっている。
まず、財源委譲を確実なものにしてからでなければ、多くの自治体があっというまに再建団体入りの憂き目をみる事必定である。
現状、暫定税率は地方にとっては命綱なのだ。
もちろん、そのあたりは当然考えているのだろうが、選挙向けアナウンスとはいえ、限りなく人を不安にさせる所だ。
高速道路無料化に関してはある程度希望が持てる案と思っている。
現状の政府、公団の言っている道路使用料での高速道路建設費の返済はいささか穴が大きすぎると考えるからだ。
また、高速道路まわりの維持、管理などには独法や族議員の親族企業などが網の目の様に入り込んで切り離せなくなっている。
無料化にすれば当然、管理コストを見直す事となり、連中をまとめて干殺しにできるという副産物もついてくるだろう。
そのあたりが、自民などでは逆立ちしても肯んじ得ない理由であろう。
流通などの経済効果も見込め、環境問題に絡めて批判する向きもあるが、それこそエコカー普及とのセットで考えれば更に面白くなること請け合いである。
人口集中地域のこともあり、簡単に全面実施とは行かないだろうが、これこそ段階的にしっかりとテストを重ね、じっくりと取り組んで形にして欲しいものである。

────

未来の担い手を育てるために。

●一人当り月額2万6千円の「子ども手当」を中学卒業まで支給します。
●高校の授業料を実質無償化し、奨学金制度の拡充などで学ぶ機会を保障します。

────

子供手当てに関しては、賛否両論あるようだ。
当方としても、不安七、期待三くらいである。
まず、決定的なのはやはり財源の問題。
果たして、民主党が言っているように、予算の組換えでそれほどの財源が飛び出るものなのかどうかである。
一般の子供の居ない家庭ではやや負担増となるようなことを言っているが、その程度は止むを得まいとあきらめている。
それさえ除けば、案外面白い制度のように感じている。
まあ、そもそも実施できるかどうかが大きな問題なのだが・・・。
公明党が「我々の制度の流用だ」と叫んでいるようだが、あれとて決定的に問題なのが財源である。
赤字国債を発行して子供手当てとやらに当てているようじゃ、まあ、国家としてオワットルわな。
半信半疑であるが、結果を見守りたい。

─────

食の安全、環境を守るために。

●農林漁業を守って食糧自給を高め、食品安全行政を確立して偽装事件などを防ぎます。
●太陽光パネル、エコカー、省エネ家電などの購入を助成し、自然エネルギーの普及、地球温暖化対策と新産業育成を進めます。

────

では、このくだりである。

>>農林漁業を守って食糧自給を高め、食品安全行政を確立して偽装事件などを防ぎます。

前の連載でも触れたが、結局は根本的なところがわかっていない言い種である。
たしかに、これまで起こった多くの偽装事件は、制度上の欠陥のあることも否定はしない。
しかし、根本的な問題は現状、安いものしか売れないという事なのである。
ただの十年で国民一人あたりの可処分所得が100万円目減りした事、安くて安全が当たり前という国民の意識が結局は問題なのだ。
偽装しなくても正しい利益を挙げられるなら、だれも好き好んで偽装などしないわな。
食品安全行政などとねむてえこと言って役人の天下り先せっせと作る前に、まずは全力を持って国家の経済と疲弊した制度の立て直しをすることである。
そうすれば結局は、小さな問題など自然に解決していくものである。

────

憲法9条を守り、平和な世界を作る。

●近隣アジア諸国をはじめとする多面的な外交で、戦争やテロの無い国際社会を築きます。
●憲法9条を守り、非核、軍縮をめざします。

────

>>憲法9条を守り、非核、軍縮をめざします。

まあ、これも先に述べたとおり。
軍縮なら軍縮のための取るべき道筋があるわな。
非核、軍縮叫んだところで、日本だけ軍縮する事など所詮自殺行為でしかない。
9条を修正し、集団的自衛権行使に道筋をつけ、それをもとにアジア諸国と非戦、平和条約を締結し、その上で段階的に軍縮を目指すべきである。
どうにも、食品偽装のところでも述べたが、これはこの国の国民性なのであろう。
安全はロハというちゃんちゃらおかしい考え方の人間が多いこと多いこと。
「集団的自衛権など許してみろ、アジアのどこかに戦争があったら、日本は戦争に巻き込まれるんだぞ」
9条原理主義者はそのように叫ぶであろう。
まあ、そうだわな。
だが、戦争を起さないために政治があり、外交があるのである。
それに、上記は、日本が戦争の当事国になる可能性をまず考えていない穴だらけの論調だ。
「おまえのところが攻められても助けてやらないが、こっちが戦争になったら助けてくれ」
そんなジャイアニズムが通用すると思っているのが連中の愚かしさである。
9条は確かに、世界に誇る平和憲法である。
が、その運用においてはあまりに柔軟性がなく、また穴も多い。
戦後六十年、自民政権では手のつけられなかった聖域。
完全な戦後の幕引きのため、新しいアジアに時代を拓く為、そろそろ本腰を入れて議論しなければならない問題である。

以上が民主党候補の主張である。
すげえばら撒き。
大きな政府ここに極まれリ、である。
さすがに政治家として年季が入っているだけの事はあり、当方の浅薄な知識では、なかなか踏み込めない上言葉尻のとりにくい公約が多い。
よく言えば無難、悪く言えばくそつまらねえ、だな。
大体がこの人の主張というよりは、党そのものの主張である。
まあ、自分=民主党という自負も、あるていどあるのかもしれない。
FTAに関してきっちり完全スルーなのがステキなところだ。
今回はどうしても、この党が政権をとると踏んだ上での突っ込みが多くなったが、まあそのあたりは許していただきたい。
実際、現状ではその気配が濃厚である。
大まかに見て、不安は大きいが、それでも、自民では決して出来ないだろう公約も垣間見える。
戦後、営々と築き上げてきた自民のシステムの牙城は相当のものだろうが、それでも、もし政権をとったならば、新しい夢を国民に見せて欲しいものである。

これで四回にわたってお送りした
「選挙公報に突っ込みをいれよう」
シリーズは終了である。
当方はまだ誰に、どの党に投票するかは未決の状態にある。
が、あほらしいことを書きながらも、なかなかに考えさせられることもあったことは、収穫と言ってよいだろう。
先だって、若い衆にこのように聞かれた。
「××さん。投票先ってどうやって決めるんですか?」
まあ、十九歳で投票権も無い若者である。
いささか日本の行く末が不安にもなったが、そんなものかとも思う。
答えて曰く
「そんなもん、ムナクソ悪い奴落っことすためにしかるべく投票するに決まってんだろ」
「・・・うわあ、消去法なんですね」
そんなやりとりが、あったとかなかったとか。
まあ、なんにせよ、国民に与えられた貴重な権利である。
投票権を持っている方は是非、投票に行って欲しいものだ。
 

PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


トラックバック
この記事にトラックバックする:


忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[12/17 TathoathSog]
[12/17 AlgossysoolvE]
[08/18 革命]
[08/13 NONAME]
[06/04 NONAME]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
ontai
性別:
男性
趣味:
読書 睡眠 ゲーム
バーコード
ブログ内検索
カウンター
お天気情報