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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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ここ数日、賑々しく執り行われたヨサコイソーランもようやく終わり、入れ替わりに北海道神宮祭、いわゆる札幌祭りが始まる。
初夏の訪れを告げるイベントだが、しかし、未だに肌寒い日が続いているここ札幌である。
本州方面からやってきたお客さんや踊り子さんたちも、ここ数日の朝夕の寒さには驚かれたのではなかろうか。
風邪等召さなかったかどうか、心配である。

さて、ここ札幌では、アカシアの花が満開である。
アカシア、本名ニセアカシアは明治期に日本に輸入され、防風、防砂林などとして定着した外来植物である。
札幌でも街路樹などに多く用いられており、白く可憐な花が鈴なりに咲くさまは、この季節の風物詩といっても過言ではあるまい。
そとに一歩踏み出すと、甘やかな香りが鼻腔をくすぐる。
それだけで心が浮き立ってくるから不思議なものである。

ただ、このニセアカシア、つい最近要注意外来植物に指定されてしまい、各界に波紋を引き起こした経緯がある。
主に養蜂業などは大混乱に陥ったらしい。
たしかに、ニセアカシアの蜜といえば、国内では最高級品の一つとして流通しており、実際に駆除対象ともなればこの花を主力とする養蜂業は枕を並べて討ち死にである。
ただでさえミツバチの集団死など、よくわからぬ現象が起こっている昨今だ、なかなかに大変そうである。

生育の早さと、土地を選ばず繁殖する緑化能力の高さから重宝されてきたニセアカシアではあるが、逆にそれが仇となり大繁殖してしまったのがいけなかったようだ。
ここ北海道においても、主に管理放棄された土地(元農地や元牧場)などに繁殖し、その分布をじわじわと広げているという。
いずれにせよ、しっかりとした管理が必要なものであるようだ。

当方が田舎にいた頃、この花は専ら食用であった。
花を食す、といえばなにやら小洒落た感じを受ける。
意外に知られていないだろうが、実はこのニセアカシアの花をてんぷらにして食べると、べらぼうに美味である。
花弁のさっくりとした歯ざわりと、花の蜜のほのかで上品な甘さがまさに至上の美味である。
幼い頃は、この季節になるとスーパーの買い物袋などを持って山に分け入り、ニセアカシアの花を集めたものである。
ニセアカシアには棘があるので、なかなかに難儀ではあるが、それを差し引いても苦労に見合うご馳走であった。
母親などは、私が泥んこになって、所々引っかき傷をこさえながら、スーパーの袋いっぱいのニセアカシアを差し出すと、実に迷惑そうな顔をしたものだ。
今となっては、良い思い出である。
とった花は水洗いして水気を取り、軸についたその姿のままてんぷらにする。
あるいは花だけざっとこそげとり、かき揚げのようにして揚げても美味いだろう。
排ガスまみれの市内の花ではあまりぞっとしないが、機会があったら久々に食べたいものだ。
是非、お試し頂きたい。

そう長い寿命を持つ樹木ではないだけに、ニセアカシアの木が札幌の街路から消える日は、遠くない日にやって来るだろう。
倒木の危険の高いニセアカシアが、恐らくこのご時世に再び街路樹として植林される事は考えにくいからだ。
いずれ、街を包むこの香りを楽しめなくなるのは、とても残念に感じる。
 

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