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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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自分の記憶の中では。
壱万円札の中の人は2人。
言わずと知れた諭吉先生。
もう一人は聖徳太子である。

さてさて。
諭吉先生は二回連続中の人である。
今現在、もっとも有名なえらい人であろう。
老若男女、ありとあらゆる日本人にとって、拝み倒される存在である。
何せ奴は中の人。
本当は大してえらくなくともいちまんえんというだけで国民全体拝まずにはいられないのである。

海を隔てた某半島では、先生、あまり好かれてはいないらしい。
何でも、征韓論者だったとかどうとか。
そんな話を聞いたことがある。
すいません、正直、あまり知りません。この人のこと。

諭吉先生といえば。

「学問ノススメ」
”天ハ人ノ上二人ヲ作ラズ、人ノ下ニ人ヲ作ラズ云々”
当然、読んだことは、無い。すごいらしいというのは聞いたこともある。
”慶応義塾” 作ったらしい。
”咸臨丸にてアメリカへ” 勝海舟とはあんまり仲良くなかったらしい。
”大阪適塾塾頭” 血を見るのが嫌いだったらしい。ちなみに適塾は医塾である。
当方の知識で知っているのは所詮、この程度である。

司馬遼太郎氏の「花神」が大好きである。
氏の著作の中では「坂の上の雲」と同じくらい好きだ。
その中で、主人公である”村田蔵六”の批判者として、先生が現われる。
畢竟、あまり好きでは、無い。
蔵六とは適塾における先輩後輩の間柄であり、蔵六の後を襲い、適塾の塾頭となる。
頭は切れるが何だか斜に構えていて、長州の軍事顧問としての蔵六を端から見下している。
武力による倒幕などナンセンスだ、と言わんばかり。
誰かがやらなければならぬこと、というのは先生もわかっていたはず。
が、それは自分たちではない、というスタンスだったように思う。
自分たちは頭脳労働者であるという、ある種の自負を持っていたのであろうか?

しかし、考えてみればこの二人、案外共通点も多い。
共に幕末~維新期を通しての最高の頭脳と行動力を持っていたということ。
武士、ひいては身分制度というものが大嫌いであったということ。
一時期、幕臣であったということ。
攘夷、等というものが到底実行不可能であると考え、開国論者であったということ。
医者というくびきより外れているということ。
結局、似通っているのだ。
唯一にして最大の相違点は、武力というものを手段にしたか否か、というところであろう。
そのように考えてみれば、或いは同属嫌悪のようなものなのかもしれない。

話はそれるが。
司馬氏の著作中にはよくこのような対比が現われる。
似通った境遇、思想、能力を持ちながら、なぜか生き方に於いて鮮やかな対比をなすのである。
確かに、先生は維新の刃林弾雨を抜け、天寿を全うしているのに対し、蔵六はそれを抜けたと同時に暗殺されてしまっている。
似たような例には、「竜馬がゆく」における坂本竜馬と岩崎弥太郎があるだろう。
激しく生き、そして散る人間と、生き抜いて大業を成す人間。
どちらがいいとは言わぬが、きっと氏は前者のような一種の狂人が好きだったのだろうなどと愚考する。

話しを戻そう。
この先生、なかなかわかりにくい人間ではある。
榎本武明や勝海舟と交わりながら、公然と批判を展開する。
儒者の父を持ち、自身も素養を身に付けながら、思想としてのそれを強烈に憎み、脱却を図る。
一説には居合の達人であるといわれながら、幾度命を狙われても一度も使ったことが無い。
使ったことが無いのに、何故達人とわかるのか?
逆説的に使わなくとも難を逃れられる程の達人という意味合いなのであろうか?
戦争には反対といいながら、やるからにはと募金を募ったりもする。
日清戦争の勝利を子供の如く喜んだりも、する。
兎に角、一筋縄ではいかないという印象である。
きらいきらいといいつつも、実は結構好きだったり、とか。
認めているからこそ、その生き方が許せぬということもまた、あるだろう。

不幸にして生まれた時代が違うゆえ、先生本人とはお話したことが無い。
故に、司馬氏の書かれたような人格であるのかどうかも不明である、が。
曰く、最高の教育者。
曰く、明治における最強の剣士。
曰く、血を見ることが大嫌い。
実に、実に、不思議な人間像だ。
機会があれば是非一度、お話を伺いたかった、そんな壱万円札の中の人である。

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