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2008/1/13 人生における、雑感、ボヤキ、など。
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『刑務所のリタ・ヘイワース』
という短編がスティーブン・キングにある。
当方はこの作品が大好きな人間だ。
つい先だっても、とっちらかっていた本の整理かたがた、眠っていた
『ゴールデンボーイ』
を見つけて、整理そっちのけで読みふけってしまった次第である。
なにやってんだか・・・。

キングといえば、やはり本格的なファンならば
・スタンドバイミー
・ダーク・タワー
・グリーンマイル
その他多作な作家さんだけに著名な作品はいろいろあるが、そのあたりを思い浮かべるのだろう。
刑務所の~?あんなもの好きだと言うやつぁ半端マニアだぜ?
そんな声が聞こえてきそうである。
ゴメンナサイ。

とはいえ、キングの作品といえば、なにやらどうしてもイチゲンさんお断りな雰囲気がプンプン漂っている印象が強い。
まあ、主に描いている内容がホラーなため、そんな風に感じてしまうのかもしれない。
ガチガチな超常現象などを扱ったホラーもあれば、ミステリ風のじわじわ来るホラーもあるし、またファンタジー風のホラーもある、一概に”ホラー”のひとくくりで結んでしまうのはこの人に関しては乱暴であるともいえるだろう。
そして、そんなキング作品の中で、ホラーじゃないものの筆頭としては、やはりこの中篇になるのではなかろうか?
幾たび読んでもじわりと泣きそうになる、そんないい作品である。

まあ、至極わかりやすい作品ではあるので、筋を語るのもなかなかに難しい。
興味のある方は是非にも一読して頂きたいものである。、
新潮文庫より『ゴルデンボーイ』というタイトルで発売されている。
現状の版がどうなっているのかはわからんが、昨年あたり古本屋で漁っているときに見かけたこの文庫の表紙は、なぜかティム・ロビンスが雨を浴びて叫んでいる。
そう、この作品は本来
『Different Seasons 恐怖の四季春夏編』
という、キングが発表した邦題”恐怖の四季”という作品の夏編、ゴールデンボーイというのをメインとする文庫である。
この恐怖の四季のなかには、かの有名なスタンドバイミーも含まれており、しかし、四季編全てあわせるとどうしても一冊の文庫では長すぎて収まりが悪くなり、春編『刑務所の~』と夏編『ゴールデンボーイ』を一冊とした分冊形態で発表される事となる、そして『刑務所の~』が、ゴールデンボーイを喰ってしまったということである。
まあゴールデンボーイのほうが、キングの作品としては「いかにも」と言う感じでメイン張るのは妥当であるのは確かである、いかんせん時流ということか。
そう、かの名作映画
『ショーシャンクの空に』
の原作が、この『刑務所の~』なのである。
それで一挙に有名になってしまった観があり、出版社側も「よっしゃ、これで売るぞ」ということとなったのであろう。
こういった悪目立ちは正直好きくないが、それでこれまでこの作品を知らなかった人に読んでもらえるのはいい事だし、それとは別に、それだけ映画が凄かったという証左である。

映画『ショーシャンクの空に』は、文句のつけようが無い名作である。
原作レイプ映画やドラマが氾濫する昨今、原作を出来うる限り忠実に守りながらも、映像としてのインパクトを殺さないように手を加えた神のバランスの体現であると言える。
そんな超・名作映画ではあるが、しかし悲しい過去もある。
映画単品としての興行収入はなんと大赤字。
新人の監督であったり、或いはキングの中でも今一つメジャーでない原作であったり、不安要素が大きかったというのもあるだろう。
1994年封切り、当時は当方もすでに原作は読んでいて好きではあったが、流石に映画となると見に行く気にはならなかった記憶がある。
おっかしいなあ、主演ティム・ロビンスとモーガン・フリーマンで、当時としてもそこそこなキャストだったのだがなあ。
宣伝が悪かったのかな?と。
そんなこの映画が脚光を浴び始めたのが、後に発売されるビデオ版からである。
「これ、スゲーんじゃね?」と。

基本、ビデオなるものはDVDとちがってダビングが主な生産方法である、当然単価も一万二万が当たり前であった。
それでもそれまで洟も引っ掛けなかった映画評論家やら映画マニアたちがこの作品を再評価し、レンタル市場でその評価は確固たるものとなり、やがてDVD時代到来と共に、プレスされた廉価DVDが大量に出回り始め「見るものに困ったらショーシャンク見とけ」的な伝説の作品となった次第である。
昨年、午前十時の映画祭の予備投票で堂々一位を獲得したのもこの作品である。
まあ、確かに、映画館で見てみたいよなあ、と。
当方でもそのように感じる。
あのラストの野原でのモーガンの表情ときたら・・・。
映画祭では、今年十一月に上映という事である。
そのときを楽しみにしつつ、原作未読の方は一度読んでみて映画と比べてみるのも面白いだろう。
所々、原作を知っていたほうが楽しめるところも無いでもない。

まあ、何にせよ、原作ともどもあのウエットさが日本人好みなのであろうと愚考する。
お涙ちょうだい、人情噺に弱いのである。
そう、希望は、実に美しい。
当方も大いに希望を持ちたいものである。
競馬に。

 

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